前回までの投稿では、フォロワーさんから、子供の教育について、有意義なコメントを頂き、大変考えさせられました。




今回は、民間の音楽教室にしか出来ない教育についてお話をしようと思います。


学校教育にはなくて、音楽教室にある教育、それは何でしょう?




ずばり、大人になっても受けられる開かれた教育です。

それも、音楽という特定の分野だけを、子育てをしながら、仕事をしながら、アカデミックに学べる教育です。


教育基本法には次のように記されています。


(生涯学習の理念)

第三条 国民一人一人が、自己の人格を磨き、豊かな人生を送ることができるよう、その生涯にわたって、あらゆる機会に、あらゆる場所において学習することができ、その成果を適切に生かすことのできる社会の実現が図られなければならない。(出典:文部科学省)


現在の日本では、ひとたび学生を卒業して社会に出ると、仕事以外の分野について、学生時代と同質かそれ以上の学びをしていくことが大変難しくなります。


大学という開かれた機関はありますが、基本的には学生生活をメインに送ることを前提としているため、仕事や子育てをしながら、学生として通うことは事実上、不可能であると言えるでしょう。


そうすると、生涯学習を謳う法律はあるけども、それが実現されずに終わってしまうのが現実だと思うのです。


そこで必要になるのが、特定の分野の教育を、専門として行う、民間の企業なのです。


しかし、ここで懸念されるのが、営利目的で運営される教育は“お客様サービス”に走りがちであるということです。


教育が、“お客様サービス”に走るとどうなるか。


お世辞をたっぷり言います。


耳が痛い、厳しい事実については一切言いません。


持ち上げて、ハシゴを外して、「上手になりましたね!」と拍手して、おだてます。


なぜなら、大切なお客様の気分を害して、やめて頂いては困りますから。


どうですか。

これは、学びを妥協しない、大学と同質の教育と言えるでしょうか?


私は、言えないと思います。


利益を得ることを最優先して、お世辞という名の“美味しい嘘の評価”を入れるなら、それは「教育」ではなく「営業」です。


こうなると、生涯学習の頼みの綱であった、民間の教育では、本当のことが学べなくなるではありませんか。


大学は通えない。

民間の教室は“お客様サービス”。

さあ、次はどこで学問を学びましょう?


そう、もう他に学べる場所は無いんです。


あとは、自分で専門の書籍を買って、勉強するしかありません。


でも、それができる人なら、最初からやっていますよね。


一人では学べないから、先生が必要なんですよね。


ここで、民間の教育が、「営業」としての“お客様サービス”を脱して、お世辞を言わない「教育」を行う必要が出てくるわけです。


もちろん、それが成り立つかどうかは、皆さんが何を求めるかにかかっています。


気持ちの良い言葉で、お世辞を言って、自分を上手だと褒めてほしいという方しかいないなら、音楽教室はそうならざるを得ません。


しかし、真剣に上達したいから、本当のことを、お世辞抜きで教えてほしい。

プロとしての、本気のレッスンをしてほしいと、あなたが望むなら、こちらは惜しみなく指導する準備があります。


国が掲げる「生涯学習の理念」は、実は最初からあったわけではなく、平成18年の教育基本法の改正で、新しくできた条項です。


働き方改革をはじめとし、仕事以外の時間を充実させることを目指そうとする、最近の政府の動向を見てみると、そこには、国民全体の教養を豊かにし、生活の質を少しでも上げようという、国の意図が垣間見えます。


もちろん、いきなりは無理でしょう。

でも、少しずつ未来が明るくなることを祈っています。


そして、民間の音楽教室として、未来の教育のためにできることを、微力ながら行っていこうと思っています。


ではまた☺️

🎼川端優也ピアノ塾