男はひどく疲れていた。
美しかった妻も、面影もない程に太った口うるさい女になってしまっていた・・・。
少年の頃の幸福の国の夢は、いつか来るような気がして、
現実の生活上のむなしさの数々に立ち向かう気持ちになれず、
淡い夢を抱きつつ無為に日を送っている。
いつかは目の前に幸せが来るように錯覚を描きながら。
その男は叡山の高僧に出会った。
高僧が言った。
男は自分の目が外ばかりに向いていて、内にはむいていない。
自分に目を向けた時、問題は解決する。
男は、職場や妻や子どもやすべて他人のせいにばかりしていて、
自分のせいだと思っていない。
こんなことを祖母が書いていた。知り合いからもらった文集を紹介したものだそうだ。
1988年10月のことだ。
時代は変わっても、真理は変わらず。
内なる自分を見てみると、見えてくるものあり。
さぁさぁ、のんびり織って、物思いにでも耽ろうか。。。