今シーズンのMotoGPが終了した。

 

結局最終戦バレンシアGPはペッコことフランチェスコバニアの優勝と年間タイトル獲得で幕を閉じた。

日本勢は予選下位グリッドに沈んでしまったのであまりレース自体は興味はなかったものの、前日のスプリントに続いて思ったより見応えがあった。

優勝を争うホルヘマルティンは明らかに焦っているような感じで、かなり無理をした挙句マルク・マルケスを巻き込んで転倒リタイヤとなっ

た。

 

前戦のカターGPでのタイヤガチャから完全にツキに見放されてしまった・・そんなふうにも見えた。

 

ともかく最大の関心は来年のヤマハである。

 

エースのクアルタラロはスプリントでは驚異的な速さを発揮。15番手からスタートダッシュに成功するとどんどん追い上げ6番手まで迫る。

あわやバニャイアを抜くのではないかと思われたところで、さすがに急ぎすぎたか転倒を喫してしまった。

 

本んが言うにはマシンに超速のペースがあったとのことで決勝も大きく期待させてくれるものだった。

 

しかし翌日に熱を出しウォームアップ走行もキャンセル。

決勝レースは以前のヤマハに戻ってしまったような感じで、結局ほとんどオーバーテイクできず。

転倒が相次いだ結果、たなぼたの11位で今シーズンを終えた。 

 

以前はヤマハ機はオーバテイク(追い抜き)できない、と散々ぼやいていたクアルタラロ。あまりにタラタラ不満ばかり言うので不満タラロと名付けたぐらいだ。しかし実際レースを見ていると本人が言うようにみなかなか仕掛けることができないもどかしい感じだった。

 

現代のmotogpマシンは空力デバイスの進化によりマシン後方に大きな乱気流が発生するため、後ろに着いた状態から前に抜けることが難しくなっている。その上スピードで勝るドゥカティ機を抜くのは至難の業だ。

 

しかし終盤インドGPあたりから何台かドゥカティをパスする光景が見られた。その頃から愚痴も少なくなってくると不満タラロもなりをひそめ、だんだんとマシンのせいではない反省の弁を口にするようになった。

 

特に解説陣も誰も話題にする人はいなかったが、やはりヤマハはエアロダウンフォースに関して何か大きな進化があったのではないか。

 

果たして終盤戦でYZRーM1が見せた速さは本物なのか。

結局よくわからずじまいであったが、もしあれが本物なら来年は再びタイトル獲得を狙えるかもしれない。

 

24年はクアルタラロの契約が切れるので、ヤマハが優勝を狙えるマシンを開発できなければ他チームへ移籍が濃厚と見られている。

また競争力の高さを示してVR46を傘下にできるかどうかも懸かかっている。

勝負の年となるだろう。

 

ちなみにクアルタラロはmoto3の日本人佐々木歩夢選手と仲良しで一緒にトレーニングをしたりしているらしい。

カタールでは決勝前に佐々木選手の元を激励に訪れていた。

同じフランス人と日本人の仲良しコンビと言うとF1の角田祐毅君とピエール・ガスリーが思い浮かぶ。同じチームで過ごし別々になっても今でも仲がいい。

フランス人と言うとセナのライバルだったアランプロストや、ルノーの日産に対する扱いなどのようになんとなく横柄というか、どうしても有色人種を下に見るイメージがあったので時代も変わったものである。彼らはもう欧米人に対するコンプレックスなどないので対等に付き合えるのだろう。

 

まだ1度も海外に行った事は無いがいつかヨーロッパならフランスに行ってみたいと思っている。その時クアルタラロがYAMAHAに留まっていればの話だが。