NASであるSynology DS216jでらじる★らじるを録音する

NASでラジオを録音、とか訳のわからないタイトルだが、Synology製DS216jってNASなんだけど、Linuxサーバとして機能する。

そこでラジオの録音環境を作るという話。

メディアサーバになるNASはあるけど、ベンダが用意している純正のアドオンを入れるとVPNサーバになったり、ApacheでWebサーバになったり。

更には(純正じゃないけど)ARM7-Linux用のEntware-ngというパッケージ環境をインストールすると、好きなパッケージをダウンロードできる。好きにいじれるLinuxサーバにできちゃう。

 

そこで、DS216j上で、らじる★らじるの録音環境を動くようにしてみた。

 

まず、らじる★らじるの録音には

  1. ffmpeg
  2. avconv

が必要。(いくつかやり方があり、それぞれ必要なツールは違うみたい)

ffmpegはDS216jに最初からインストールされているが、らじる★らじるがストリーミングで使うhttpsに対応していないのでビルドする必要がある。

また、avconvは入っていないので、ビルドしてみた。


■シェルを使えるようにする

まずはコマンドを打てる状態にしましょう。
→ DS216jにsshアクセスしてLinuxサーバーとして活用する方法 http://www.web-walker.info/ds216j-ssh/

 

■Entware-ngのインストール

Debianやubuntuのようなパッケージ環境を作り、ビルドで使う基本ツールをパッケージでインストールできるようにする。

こちらを参考にさせてもらった → Synology DS216j Entware-ng 導入 http://jasmin.sakura.ne.jp/blog/0245

上記ページの手順の後、/etc/profileを編集して /opt/bin にパスを通しておくこと。

Entware-ngをインストールすると、opkgコマンドが使えるようになり、コンパイル済パッケージがインストールできるようになる。

パッケージインストールしたものはすべて/optに入るようだ。

 

■必要なツールをインストール

  1. ビルドに使うパッケージをインストール
    % opkg install gcc
    % opkg install make
    % opkg install less
  2. avconvが含まれるlibavをダウンロード&ビルド&インストール
    https://libav.org/download/ から最新のソースをダウンロード。
    % wget https://libav.org/releases/libav-12.3.tar.gz
    % tar zxvf libav-12.3.tar.gz
    % cd libav-12.3
    % ./configure --prefix=/opt --enable-libmp3lame
       /usr/localを汚したくないので、--prefixオプションでインストール先を指定。以降同じ。
    % make
    % make install
  3. opensslをダウンロード&ビルド&インストール
    https://www.openssl.org/source/ から最新のソースをダウンロード。
    % wget https://www.openssl.org/source/openssl-1.0.2o.tar.gz
    % tar zxvf openssl-1.0.2o.tar.gz
    % cd openssl-1.0.2o
    % ./config --prefix=/opt
    % make
    % make install
  4. ffmpegをダウンロード&ビルド&インストール
    https://www.ffmpeg.org/download.html から最新のソースをダウンロード。
    % wget https://ffmpeg.org/releases/ffmpeg-3.4.2.tar.bz2
    % bzip2 -d ffmpeg-3.4.2.tar.bz2
    % tar xvf  ffmpeg-3.4.2.tar
    % cd ffmpeg-3.4.2
    % ./configure --prefix=/opt --enable-openssl
    % make
    % make install
  5. lameをダウンロード&ビルド&インストール
    http://lame.sourceforge.net/download.php から
    % wget https://sourceforge.net/projects/lame/files/lame/3.100/lame-3.100.tar.gz
    % tar zxvf lame-3.100.tar.gz
    % opkg install libncurses-dev
    % ./configure --prefix=/opt
    % make
    % make install

■録音スクリプトを作成

http://init6.blog.fc2.com/blog-entry-41.html

あたりを参考に。

FFMPEGDIR="/opt/bin"

にすることを忘れずに。

それと、avconvにもパスを通す必要があるので、

AVCONVDIR="/opt/bin"

と定義して、${AVCONVDIR}/avconv ...

と書きましょう。

あとは定期起動したい場合、crontabコマンドはないようなので、/etc/crontab を書き換える。

 

これで外出先からでも録音した番組がかんたんに聴けるようになった！

※著作権の範囲内で楽しみましょう。