『青天を衝け』第25回―貨幣経済とは? | 歴史愛~歴史を学び、実生活を豊かにする~

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「温故知新」とは言いますが、世の中を見渡すと表面的な教訓ばかりでイマイチ実生活に活かすことのできない解説ばかりです。歴史的な出来事を、具体的な行動に置き換えて実生活をより豊かにし、願望を実現する手助けになるように翻訳していきます。


MaccabeeによるPixabayからの画像
※こちらの記事は、令和3年9月16日に書かれたものです。

皆さんこんばんは。
今回は令和3年の大河ドラマ『青天を衝け』第25回に関しての楽しむためのヒントを解説したいと思います。

大河ドラマを見てみたけれど、歴史もよくわからないし、どう楽しんでいいのかわからない
歴史には興味あるけど、自分では積極的に勉強する気になれない、という方必見です!
※記事下部に人物の読み仮名をのせています。

【『青天を衝け』の楽しむヒント】
・第1回―渋沢家について・第2回―身分秩序について
・第3回―平岡家について・第4回―阿部家について
・第5回―藤田家について・第6回―美賀君の血筋
・第7回―井伊家について・第8回―岩瀬忠震の出自
・第9回―安政頃の西郷吉之助・第10回―安藤信正について
・第11回―高崎城について・第12回―一橋徳川家について
・第13回―越前松平家について・第14回―島津家について
・第15回―三島家について・第16回―池田屋事件について
・第17回―武田耕雲斎について・第18回―天狗党の乱について
・第19回―小栗家について・第20回―土方家について
・第21回―杉浦愛蔵について・第22回―保科俊太郎について
・第23回―栗本鋤雲について ・第24回―証券とは何か


まずはあらすじ。



第25回のあらすじ


慶応(けいおう)から改元した明治元年(1868年)11月、民部公子(みんぶこうし)・清水民部大輔昭武(板垣李光人)に随伴し渡仏していた渋沢篤太夫美雄(吉沢亮)は、民部公子らとともについに帰国。

横浜(よこはま)に帰港した。

上陸した篤太夫は、先に帰国していた杉浦愛蔵譲(志尊淳)らに留守中に国内で起こった出来事を聞いた。

去る慶応4年(1868年)正月、前将軍(さきのしょうぐん)・徳川内大臣慶喜が突然大坂(おおさか)から江戸(えど)に戻ってきた。

天璋院(てんしょういん)(上白石萌音)や静寛院宮(せいかんいんのみや)(深川麻衣)は新政府軍に手紙を送り、慶喜は上野(うえの)・寛永寺(かんえいじ)に蟄居(ちっきょ)した。

江戸城は新政府軍に無血開城されたが、役人を罷免された小栗上野介忠順(武田真治)は捕らえられ斬首され、川路左衛門少尉聖謨(平田満)は拳銃自殺した。

篤太夫の従兄である渋沢成一郎英明(高良健吾)は上方(かみがた)での戦いで負傷していた。

なんとか江戸に戻り、主君・徳川慶喜の無念を晴らすために彰義隊(しょうぎたい)の頭取(とうどり)となった。

しかし、当の慶喜は寛永寺から水戸(みと)に移ってしまい、主を失った彰義隊は分裂した。

成一郎は、彰義隊に参加した従兄の尾高新五郎惇忠(田辺誠一)、惇忠の弟で篤太夫の見立て養子となった渋沢平九郎昌忠(岡田健史)らとともに「振武軍(しんぶぐん)」を結成。

飯能(はんのう)を拠点としたが、新政府軍に攻撃され、部隊は四散した…

ということで、




第25回「篤太夫、帰国する」の感想


小栗上野介の死は悔しかったですね。

なぜ小栗が死ななくてはならなかったのか?

彼の死は、全く理のない死でした。

処刑される理由が全くないんですよね。

ただ、旧幕臣(ばくしん)だというだけで訳も分からず捕縛され、処刑されているんです。

こんなこと、二度と起こってほしくないです。

小栗家についてもっと知りたい方は、下記リンクをタップしてください(関連記事に飛びます):
『青天を衝け』第19回―小栗家について

そして、渋沢平九郎の死もショッキングでしたね。

いや、死ぬことはわかっていたんです。

ですが、やっぱり映像で見るとショックでしたし、悔しかったですね。

武士として、幕臣として、誇り高く死んでいった平九郎に対する新政府軍の無礼な態度。

新政府軍にとっては旧幕府(ばくふ)の残党などは憎むべき相手だったとは思いますが、新政府軍はなんとなく下卑た感じで描写されていて、それが一層悔しさを募らせましたね。

さらに平九郎と思われる首が名札もなくさらされ、犬にくわえられて持ち去られたと聞き、とてもとても悲しかったです。

やはり、こんな悲劇は二度と起こってほしくないです。

平九郎を演じられた岡田健史さん、見事な演技、お疲れ様でした!



第25回の楽しみ方―貨幣経済とは?―


今回は、やはり歴史的な内容として福地源一郎について書こうかとも思ったのですが、今回の大河ドラマの主人公は渋沢栄一〔篤太夫〕です。

「日本資本主義の父」と言われる渋沢栄一が主人公なのですから、経済面での説明をした方が後の展開の理解の助けになるかなと思い、敢えて「貨幣経済とは」というテーマを選びました。
※劇中でも「太政官札(だじょうかんさつ)」に触れていましたね。

「資本主義」とセットのように主張されてきた「競争社会」への批判:
競争

日本は不思議なことに―江戸時代の商人を下賤(げせん)と見る風潮が原因だと思われますが、「お金」にネガティヴなイメージを抱く人が多いですね。


商人出身の武士について:
『青天を衝け』第5回―藤田家について

同関連記事:
大河ドラマを楽しむ方法(12)(『麒麟がくるまでお待ちください』第2~3回)

戦国時代の有力商人「会合衆」について:
『麒麟がくる』第27回―「会合衆」とは何者か?


僕も、かつてはネガティヴなイメージを抱いていました。

たとえば、

・やたらめったらお金を使ってはいけない。

・お金儲けは悪いことだ。

・お金持ちは、絶対に悪いことをしてお金を儲けたのだ。

等々…


お金ってのは、ただのツールです。

悪いのはお金ではなくて、使う人間の方が悪いんです。

お金儲けが悪いのではなく、悪い手段を使ってお金儲けをした人間の方が悪いんです。

では、その「お金」とはなんなのか?

今や「お金」の存在があまりに当たり前過ぎて、その辺を考えて使っている人はあまりいないような気がします。

その前に、「経済」とは何かという話をしなくてはいけないのですが、「経済」とは要するに「人、モノ、カネ」の循環のことを言います。

「人、モノ、カネ」の循環が活発で、グルグル回りまくっている状態のことを「好景気」と言います。
※逆に、動きが悪くて停滞している状態を「不景気」と言います。

みんながお金持ちになることを言っているのではなく、たくさんお金が入ってたくさん使う状態のことを「好景気」という訳です。

この中で「カネ」という存在は唯一自然発生をしたものではなく、人間が創り出したものです。

何のために創り出したのか?

渋沢篤太夫が劇中で「銀札(ぎんさつ)」を造った時に少し触れていましたね。

参考記事:
『青天を衝け』第19回―小栗家について

物々交換だと、重いんですよね。

コンビニでパンを買うのに、いちいち本とかCDをもってこなきゃいけない。

毎回毎回そんなことしていたら嫌になりますよね。

いや、そもそも本やCDを売りたくないですしw

さらに、自分としてはパン10個分の価値があると思っているCDをお店にもっていったときに、お店の人に「そのCDじゃ、パン3個しか売れないよ」と言われたらどうでしょう?

嫌になっちゃいますよね。

その点、お金は安心です。

300円持っていったら、「そのお金の価値は200円分しかないよ」なんて言っても通じません。

300円は300円です。

ただお約束として、「誰もがその価値を認めること」が必須となります。

劇中に登場した「太政官札」が信用されていなかったように、「なんだい、この紙切れは」なんて言われてしまったら、お金として使えません。

今までのお金は、政府がその価値を保証することでその信頼を確保していました。

最初は、篤太夫の「銀札」のように本当に銀や金などと交換することでその価値を保証していました。

しかしそのうち、「お金」そのものの信頼が強固になることによって、政府が交換用の金や銀をもっていなくてもその価値が信頼されるようになりました。

要は「お約束」なんです。

みんなが信じる「お約束」がお金なんです。

「お約束」、つまり「信頼」です。

ということは、「信頼」と「お金」の関係は…




と、今日はこの辺にしておきますw

ヒントになる記事:
上月城の戦いに学ぶ―信頼の貯金を作る

こんな感じで、ドラマの背景にある知識が分かるとドラマをもっと楽しめます!

最後まで読んでいただきありがとうございました!

以下もご覧ください!

※トップ画像はイメージです。

○今回登場した人物のフルネーム(参考:「武家や公家の名前について」)
・(清水)徳川〔松平〕 侍従兼民部大輔〔幼名は余八麿〕 源 朝臣 昭武〔昭徳〕
(しみず)とくがわ〔まつだいら〕 じじゅうけんみんぶのたゆう〔幼名はよはちまろ〕 みなもと の あそん あきたけ〔あきのり〕
・渋沢 篤太夫〔栄一、栄二郎、栄一郎〕 源 美雄
しぶさわ とくだゆう〔えいいち、えいじろう、えいいちろう〕 みなもと の よしお
・杉浦 愛蔵 平? 譲
すぎうら あいぞう たいら? の ゆずる
・前征夷大将軍 (一橋)徳川〔松平〕 内大臣〔幼名は七郎麻呂〕 源 朝臣 慶喜〔昭到〕
さきのせいいたいしょうぐん (ひとつばし)とくがわ〔まつだいら〕 ないだいじん〔幼名はしちろうまろ〕 みなもと の あそん よしのぶ〔あきむね〕
・渋沢 市郎右衛門 源 元助〔美雅〕
しぶさわ いちろううえもん みなもと の もとすけ〔よしまさ〕
・小栗 上野介〔通称は又一、剛太郎〕 平〔源〕 朝臣 忠順
おぐり こうづけのすけ〔通称はまたいち、ごうたろう?〕 たいら〔みなもと〕 の あそん ただまさ
・川路 左衛門少尉〔通称不明〕 藤原? 朝臣 聖謨〔萬福〕
かわじ さえもんのしょうじょう〔通称不明〕 ふじわら? の あそん としあきら〔かずとみ〕
・渋沢 成一郎〔喜作〕 源 英明
しぶさわ せいいちろう〔きさく〕 みなもと の ひであき
・尾高 新五郎 (氏不明) 惇忠
おだか しんごろう (氏不明) あつただ(物語中では「じゅんちゅう」)
・渋沢 平九郎 源 昌忠
しぶさわ へいくろう みなもと の まさただ
・福地 源一郎 源? 万世
ふくち げんいちろう みなもと? の かずよ?
☆武家の「通称」の普及を切に願います!

参考
大河ドラマ応援ブログ
韓ドラ大好きおばさんの「言いたい放題いわせてヨ!」

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