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一般観光客にとって、「十和田・奥入瀬」はビッグネーム。
八甲田大岳に登った翌日、ここまで来て立寄らない手はないだろう、ということで、
初めて十和田湖を訪問しました。

 

 

 

 

 

 

しかし、どこか登るのに良い山はなかろうか?と改めて地図を眺めてみると、
カルデラ湖であるにも関わらず、十和田湖の周りには目立った山が意外にありません。

 

 

 

 

 

 

例えば支笏湖の風不死岳と恵庭岳、猪苗代湖の磐梯山、中禅寺湖の男体山、尾瀬沼の燧ヶ岳と言った具合に、
側に聳える秀峰があってこそ湖の風景はより一層映えるというもの。
十和田湖は有名であるにも関わらず、その点かなり弱いです。

 

 

 

 

 

 

しかし、湖畔や水上から眺めるよりもできるだけ高い位置から眺めた方が、
十和田湖の代表的な景観である二つ突き出た半島の様子が良く分かります。
そこで目を付けたのが、今回の十和田山だったのです。

 

 

 

 

 

 

十和田湖温泉郷からバスは奥入瀬渓流に沿って次第に山奥に分け入っていきます。

 

 

 

 

先ほど、側に秀峰の無い湖の不利について触れましたが、
十和田湖に関して言えば、この奥入瀬渓流こそがそれを補って余りあるほどの価値を与えています。
もしこれが無ければ、十和田湖はどんなに平凡な湖になっていたことでしょう。
今回はバスで通り抜けただけでしたが、時間があれば一日割いてじっくり歩きたいところです。

 

 

 

 

ほとんどの乗客が十和田湖畔の中心街・休屋(やすみや)に向かう中、
私と友人の二人だけが手前の宇樽部(うたるべ)で下車。

 

 

 

 

 

 

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「花鳥渓谷」公園の脇から登山道に入りました。

 

 

 

 

 

 

前日のスコールで道は所々ぬかるみ気味。森の様子は実に見事です。

 

 

 

 

 

 

尾根に出てからしばらくすると、笹ヤブが予想外に深くなってきました。
露でズブ濡れになってしまうので、この辺で雨合羽を装着。

 

 

 

 

 

 

足元の道はしっかりしていましたが、八甲田山とは比べものになりません。
大観光地のすぐ近くの山にしては切ないほど登られていない様子でした。

 

 

 

 

 

 

ヤブが頭の上から覆うほどになってからは何度も挫けそうになりましたが、
足元の明確な道を信じて前進。

 

 

 

 

 

 

森を抜けて灌木帯になり、道が真っ直ぐ上を向いてからしばらくで、
ポンっと山頂に飛び出しました。

 

 

 

 

 

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山頂からは期待通り、十和田湖の全貌が眺められました。

 

 

 

 

 

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昨日登った八甲田は、頂上付近が雲の中。
三角点と板切れの標識しかない、開闊ですがあまりに静寂な、孤高の空間でした。

 

 

 

 

 

 

下りは子ノ口へのルートを敬遠し、元来た道を採りました。
ヤブで足元が見えず、かなり悩まされました。

 

 

 

 

 

 

ヤブが途切れてからは快適に宇樽部まで戻りました。
9月の連休だったにも関わらず途中誰とも出会わない、本当に静かな山旅でした。

 

 

 

 

 

 

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