トロント・ピアソン空港での航空機事故 | トロントのお散歩

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カナダ・トロント在住、キリスト教会の牧師が、普段のトロントでの生活や、考えていることを書き綴ります。

今朝、仕事に行く時に車のラジオから、昨日のトロント・ピアソン空港での航空機事故のニュースが途切れることなく流れて来た。

 

 

あまりテレビを見ないので、昨日の夜にネットで最初のニュースを知り、今朝のラジオで詳細がさらに明らかになった。

 

ファミリーデーに起こった事故というのが繰り返し言われていたが、幸いにも死者はいないと聞いて胸をなでおろす。

 

 

昼頃のニュースでは、入院していた人々は2人を除いて退院したらしい。

 

いつもお世話になっている空港での事故はやはり気になる。

 

最近、航空機事故が多いんじゃないかと皆が思っているはずだ。

 

韓国、ブラジル、アメリカ・ワシントンでの航空機事故、その他にもロシアによる撃墜事故もあった。

 

航空機の重大事故におけるヒューマンエラーの割合は、一般的には約70%から80%と言われている。

 

これはパイロットの判断ミス、整備士の作業ミス、運航管理の不備など、さまざまな要因が含まれるが、最近の事故は、ほとんどすべてこの範疇にあるだろう。

 

このような事故の様子を聞くたびに、アメリカにいるジャンボジェット機や、輸送機のパイロットをしている数人の友人たちは大丈夫だろうかとふと思う。

 

10年ほど前に私がミシガンの大学で学んでいた頃、その大学の航空学を専攻していた若い友人が飛行機の免許を取ろうとしていた。

 

 

彼は週に何回も、大きな体をした教官とセスナ機に乗って練習をしていたが、ある日彼から「後ろの席が空いているから乗っていいよ」と言われた。

 

高い所が苦手だった私は、「勉強が忙しいから…」などという言い訳をして逃げたのだが、妻が興味を持って、セスナ機にチャッカリと乗ってしまったのだ。

 

 

上空の写真を見せてもらったが、周囲360度見渡す限り畑と牧場しかなく、方角など全く分からないそうだ。

 

 

しかもセスナのエンジンを切って、錐もみ(?)で降下していく訓練だったらしく、気持ち悪かったと嘆いていた。ジェットコースター大好きの妻でも大変だったらしい。

 

パイロットの彼曰く、計器がないとパイロットは全く飛べないらしい。

 

自分のいる高さや方向、傾きやスピード、様々な飛行機の情報を自分の目や耳、感覚に頼ってはならないと厳しく教えられるらしい。

 

セスナ機でのテストの中でも、周囲の情報に頼らず計器だけで飛行する「計器飛行」のテストもあるらしい。

 

それもそのはず、夜や吹雪の時などは、周りはほとんど視界ゼロになるからだ。

 

 

第二次世界大戦の頃、計器飛行が徹底されていないパイロットたちがジェット気流に乗ってしまい、自分の感覚に頼って数千キロも離れたところに不時着したという話を聞いたことがある。

 

私たちは自分の経験や感覚に頼り過ぎることがある。

 

その結果が、今の時代の混乱と争いではないだろうか。個人的には結婚生活や子育ての羅針盤・マニュアルが必要だと思う。

 

飛行機には正確な多くの計器、船にはGPSコンパス、車にはGPSカーナビが必要なように、私たちの人生にも正しいGPSのような羅針盤、計器が必要ではないだろうか。

 

日本アルプスを登りに行くなら地図なしに行く馬鹿はいないのに、それより長く厳しい人生の旅路にはあまりに多くの人々が地図なしに歩んでいるのではなかろうか。

 

聖書は、そんな人生の旅における地図、GPS、羅針盤である。

 

 

『聖書は、すべて神の霊感を受けて書かれたものであって、人を教え、戒め、正しくし、義に導くのに有益である。』(テモテ第二3章16節)

 

 

私の子供たちも、そのような羅針盤で人生を歩み、ヒューマンエラーで後悔するようなことは避けて欲しいと思う。

 

あとは、(少し)方向音痴の我が妻と娘には、「GPSに従って車を運転したり街歩きをして欲しい!」と心の中でつぶやいてみた。

 

 

 

それではまた次のお散歩の時に。

Till our paths cross again!