「海はなかった」他
1975年(S50年)合唱組曲「海の詩(うた)」の第1曲で
NHK全国合唱コンクール高校の部課題曲
作詞:岩間芳樹 作曲:広瀬量平
さびれた入江で
白い羽根を見つけた
陽炎(かげろう)にかざして渚を走る
夏の旅びとの髪飾り
どの風待てば飛べるだろうか
海は
鳥たちの
まばゆい記憶を
汚して消した
生きものの
自由なはばたきを
望んでいたはずだった
だけど
ひとすじの光さえ
あの重い雲間に
見ることもなく
かすかな足あとを
残しただけで
鳥たちは
眠る
ふたりで浜辺に
砂の山を作った
日ざかりに揺れたつ羽根の墓標よ
夏の旅びとの髪飾り
どの花添えて海をみようか
これほど胸を打つ衝撃的な合唱曲は数少ないと思います
とても人気が高い故・広瀬量平氏の合唱曲は、
1970年代当時、公害で汚された海をうたったものですが
311東日本大震災後に聴くと、予言的なものを感じてしまいます
人間の愚かな行為はいつまで続くのでしょうか
昭和61年NHKコンクール福島県立安積女子高等学校の「海はなかった」
こちらの女声合唱もまた素晴らしいです