8月末に展示しました
大阪LOVER
について本心を語ります。

私がお世話になっているギャラリーさんは
もちろん大阪のギャラリーですので
大阪の方が展示される…
と思いきや、意外と関東の方も
作品を展示されています。

もちろん東京から
わざわざ来られる人ばかりでは
ありませんが、
設営が完了したら、事前に
オンラインで確認できる特典もあります。

また、私のように
東京から大阪に引っ越した人もいれば
もともと関西にお住まいで
東京転勤後、大阪に戻られた方も
いらっしゃるわけです。

となると、それぞれの立ち位置で
「大阪という街はどう見えているんだろう」
が今回の企画の
発端だったそうです。

大阪のギャラリーで
初の試みちゃうかな



大阪は八百八橋と言われるほど

川も橋も多い街


展示のイメージ写真も

淀川になります。


この翌週に、川にまつわる展示

「RIVER」が開催されましたが

そのお話はまた今度。



で、今回私の作品はこちら



西成という街を

明るく撮ってみました。


私が自分の作品につけた

サブタイトルの名前は

「上を向いて歩こう」

です。


かつて日本一の

日雇い労働者の街として名を馳せた西成は

今ではすっかり普通の住宅街ですが

昭和の残り香のように

ところどころその面影を残しています。


調べると、大きな転機となったのは

やはり阪神淡路大震災だったそうです。


西成を含む大阪のこの辺りは

神戸に比べるとまだ

被害が少なかったため

倒壊した建物が多かった神戸に

労働者たちの多くが

遠征しに行ったそうです。

中にはそのまま

神戸の街に定住し

西成に戻ってこなかった人も

それなりにいたようです。


もう一つの転機は

雇用形態の変化なんだそうです。


派遣社員や契約社員など

雇用形態の規制緩和に伴い

個人を1日だけ雇う、

それに伴う人集めや

労働力の流動性リスク

(必要な人員を集められないなど)

を嫌いいわゆる「日雇い」

という形態の仕事が

大幅に減少したんだそうです。


その結果、新たに他所からこの街に

労働者として流れてくる人は減り

もともといた人たちは高齢化し

かつての労働者の街が

消えゆくのは

いささか寂しい気もします。


そのような街であっても

未来は平等に訪れます。


きっと未来は明るい!

そう信じて街を活気づけたい

と思い、この作品を選びました。



不滅の西成


この地域に住む方

この地域をさまざまな形で

支援している方の心意気を

感じさせてくれます。


青空に映える白い看板。




地域住民の台所

知る人ぞ知る

格安スーパー 玉出


物価高の世の中にあって

お弁当や惣菜類を

格安で提供してくださる

オアシスです。


最近は生き残りをかけて

大手チェーンのハナマサさんと

と手を組んだりしてるらしい。

これからも地域の住民のみなさまを

支えてあげて欲しいですね


黄色いタイヤ


背中を丸め、地面ばかり見ながら

歩いていると、こういうアイキャッチには

気づかないことが多いですよね。


だからなに?ってシロモノですが

こういうビタミンカラーの何かが

目に飛び込んでくると

たとえそれが注意喚起の色だったとしても

ハッと感情が揺さぶられるような

そんな気がしませんか?



最後は生活感溢れる路地


上を見るとスズラン状の照明器具が

所狭しと設置されており

道幅の狭い路地ながら

景気良く行こう!

という心意気が感じられます。


幸いにも

路地に面した商店街は

シャッター街とはなっておらず

色褪せも少ない原色系のノボリが

ところどころに見えています。


以前、一緒にフォトウォークをした

友人のジョニさんがシャッター街を指して

「この街は死んでいる」

と表現していました。


しかしここは、

まだまだ活気があり

明らかに生きている、

そして新陳代謝のある街だと思います。


上を向いて歩こう!



⭐︎


ここからはアナザーショットたち




かつて喫茶店や定食屋さんだったであろう

狭い間口でカウンターだけのお店は

ことごとくアジア系の姉さんがいる

カラオケ居酒屋に変わっていました。


昼からあちこちでカラオケの音が漏れています


私が初めてこの路地に来たのは

かれこれ20年近く前でしょうか

その頃に比べて

随分と変わりました。



この界隈は

ウォールアートも盛んです


忍者っぽいお姉さんが調理をする絵


菅笠を被った

信楽焼きのような出立のたぬき


壁一面が

ポップアートのようになった建物


なんと書かれているのか

文字っぽいものは解読できませんでしたが

キン肉マンだけはわかりました(笑)


サビがいい具合に効いている看板

ロックンロールしてますよね


ここから先は大人の街


あまり深くは触れませんが

「料亭」が並んでいるようですよ


なぜか「料亭」では

飴ちゃんが出されるらしい



その街に通じる四つ角にある

昔ながらの食堂

最近はランチも1,000円では

足りない時代になりつつありますが

こちらはこの価格を維持してくれています


一部区間が路面電車になる

阪堺電車の駅と踏切


ぽつんと猫さん


体調が悪そうな

弱々しい感じでした。

早く元気になってね


こちらは

果たしてアートからくがきか

謎です


天王寺付近です


子供達が描いた

交通安全の絵


かわいらしいですね


一方で、見上げると

このような都会的な建物も




私が思う

元気な街というのは

女性や子供の笑い声が聞こえてきて

自転車に乗ったおっちゃんが

行き来する街です。


公園で

野球はダメ

サッカーはダメ

そんなことを言ってたら

未来の大谷翔平は生まれません。

長く生きてきた人たちこそ

子供達の未来に託し

育んでいくべきだと

私は思います。


ちょっとやそっとのことでは

へこたれない

そんな街の元気のバロメーターが

女性や子供達の笑い声だと

私は思っています。


この階段を降りた後、

「料亭」さんからの声をかかわしつつ

ちょっと路地を進むと



飛田会館に到着します。

普段は入ることはできないのですが

紅子さんという写真家さんが

こちらで写真展をされていて

その期間だけは特別なんだそうです。



建物の中もいろいろ

撮影させていただいたのですが

紅子さんの作品が入っているので

割愛させていただきます。





先ほど写した

「料亭」の提灯などが

ここで作られているのかな?

たくさん置かれていました。





紅子さんが撮られた

時代の生き証人のような作品が

至る所に展示されていました。

作品そのものはもちろんですが

展示の仕方もとても味わいがあり

強く想い出に残る写真展でした。



窓から見える通天閣


写真集を購入し

紅子さんにサインをいただいてきました。




街の文房具屋さん


というか、実質は

なんでも屋さんだったのでは

ないでしょうか。


嫌煙文化が広まり

この「たばこ」の看板も

もう見かけなくなりましたね。


私もタバコを吸わなくなって

随分経ちました。



別日にきてみたら

ほんの少しシャッターが開いてました


情報量が多めです


両サイドの商店の建物の造りや

アーケードとその下の照明

おそらくできた当時は

かなりのハイカラだったのでは

ないでしょうか。


時を経てもどことなく

心地よさを感じさせてくれます


立体文字で丁寧に作られた看板


プラスチックにプリントした

最近のチェーン店とは

迫力が違いますね


この界隈では有名な看板


これはネタでも冗談でもなく

建物のオーナーさんが

最後の手段として建てた看板で

そのエピソードを聞くと

ちょっと驚きます。


敢えては書きませんので

興味のある方はぜひ

調べてみてください。


アングラ系ライターさんが

ご本人にインタビューとかして

本に書いたりしています。


こちらもウォールアートが満開


まるで写真のようなクオリティの

ウォールアート


と、放置自転車(笑)


こちらにも猫さん


首輪に鈴がついているので

どこかでかわいがられているんでしょう


お元気そうですが

めっちゃ警戒されました(笑)


いわゆる「キリ看」


写ってない場所に

もう1枚ありまして、

1箇所に5枚のキリ看

圧がすごい(笑)


ゴミ捨て場ではありません


とかかれた張り紙の横に…。


右のお姉さんは

先ほどの忍者の方と同じ?


作者が同じなのか

キャラが同じなのか…


先ほど踏切越しにみた

阪堺電車の駅ですが

駅構内の壁にも

合法的なものか非合法なのかはわかりませんが

様々な絵が書かれています。


ここから少し歩くと


じゃんじゃん横丁

なのですが

ここのランドマークだった囲碁屋さんが

閉店の運びとなりました。

残念ですが

今は全く違うお店になって

元気に営業中でございます。


間取りは囲碁屋さんのままでした。


じゃんじゃん横丁で見つけたコロン


ああーこれ

学生時代にこれつけたら

女の子にモテるって噂になって

みんな買ってたやつやん(笑)

私の中の黒歴史…

(もちろん化粧品に罪はありません)


なんとなくここにくると

比較的入りやすい

このお店で串カツを。


というか、ここのドテ煮が美味くて…。


なーんか違うものが一匹混じってますね。


では帰りましょう。


おつかれさまでした。



※複数日に渡る取材を再構成して

ストーリーを使っています。