昨年の秋に訪れた小さなお店での写真展

オーガニック食材を扱うお店に飾られた
いくつかの叙情詩と
それにまつわる写真の組み合わせに
あっけなく引き込まれてしまいました。
繊細な視点と緻密な描写が
その場の情景を連想されてくれます。

その作品は、とある大学生のもの。

彼女の卒業制作を公開するという情報を
Instagramで見かけ、足を運びました。

場所は橋本から一つ北にある相原という駅から

スクールバスに揺られること10分弱。


「レッツゴー!ZOKEI展」


※写真のタイトルは

私の写真に対するタイトルです。

展示作品のタイトルではありません。


同級生や親御さんたちに混じって

父兄参観の気分です。


彼女の作品は25分ほどの映像作品。

上演時間までの間、

他の展示を拝見します。



☆「記念撮影」


スマホを逆手に取ってパチリ

どんなふうに写りますかな?




「ペンライトが照らすセカイ」



暗がりの中、ペンライトで作品を照らします。

何か秘め事を覗き見るような

不思議な感覚。




「Brainwave」


こちらはまるでMacの

スクリーンセーバーのような

アンビエントのスクリーンに

自分の影を写します。


ここに立ってください

と書かれた足形の上に立つと

影が投影されるんです。


脳みそのマッサージ。



「It's Me」


鏡のように反射する作品に映り出された

私のスガタ



「4年間に賭けた想い」


コラージュのように貼り尽くされた

数々の写真から紡ぎ出される

作り手の充実した4年間と熱い想い


一見しただけでとてもよい経験を積まれたんだな、

と思いました。




「タイポグラフィ」


先程の作品の下に書かれたメッセージ

この文章と写真作品を交互に見比べると

言葉では言い表せない

作り手のこころの形が見えてくるようです。



「学友」


この作者の同級生のようです。


あ、おれ写ってる!

なんて話を楽しそうにしていました。


ある意味、卒業アルバムだね。



☆「学友」


こちらはフィルムでパチリ



「閲覧」


写真と共に置かれているフォトブック

手に取り熱心に目を通しています。


「金魚」



金魚の繊細で柔らかな尾鰭が描かれています。

みていると何人かの人がこの作品の前でため息をつき

しばらくしたのちにスマートフォンでパシャリ。


こちらも多くの方の心を動かしたようです。




「偶然の産物」


カップアイスの蓋をとった時

最初に現れるアイスのカタチ

それらをタイル状に並べた作品


目の付け所がクールですね。


…アイスだけに。


あ、ここわらうところですよ!


「スプーン」


アイスを食べる木製のスプーン

最近はほとんどプラスチックになってませんか。

ベニアで作った大きなスプーン。

一見しただけでソレとわかるデザイン。



「整列」


缶詰のパッケージをデザインし

一同に展示したもの。


かわいらしくて温かみがあって

こういう缶詰があったら欲しいかも。

離乳食とかにいかがですか?

食品メーカーさん!


「80's」


マンガのキャラクターのようなものを

用いた看板のデザイン。


「アニメ」ではなく「マンガ」

であるところがミソ。

それも80年代風のタッチ。


「耳なし芳一」


ベニアで作った小さな小屋の内壁に

さまざまなメッセージが描かれています。

ちょっとしたホラーのようにも見えますが

建物を含めたトータルの作品として

そのような印象はありませんでした。

感心するばかり。


そして時間になり

映像作品の展示会場へ。


☆「アテンド」


映像作品を発表する他の学生さんたちと

協力してアテンドなどをなさっています。


中央にいるのが

この作品の制作者である

きつや あみ さん。


「開演」


25分の映像作品

淡々と心情が述べられるテキスト

静かに流れる生活音

効果的に差し込まれる写真たち


彼女の持つ世界観がここでも発揮されていました

どこにでもある何気ない日常

その瞬間瞬間をドラマチックに演出。


とても印象に残る作品でした。


拍手👏


「写真専攻領域」


先程の写真展示のブースでいただいてきた冊子

この日持参した、1959年製のカメラと共に

パチリ。


この記事の写真タイトルの前に☆がついているのは

このヴィンテージカメラで撮った写真。



☆「中庭」


上映会場から見下ろす中庭

何かのパフォーマンスが始まっていました。



☆「ファーストショット」


きつや あみさんが

私のフィルムカメラで撮ったファーストショット




「巨匠」


建築学を専攻する彼は

すでに巨匠の貫禄。

しっかりと言葉を選びながら

堂々とご自身のコンセプトを

説明されていました。


「照明」


竹ぼうきを利用した間接照明。

意外性を重視した彼のアイデア。


これ、一つ欲しいんですけど。


「ジオラマ」


かつて水族館が建てられ

賑わっていたであろう漁村

水族館が取り壊され

閑散とした風景を再生するかのように

彼のアイデアが配置されています


「プレゼンテーション」


竹ぼうきの照明越しの彼

将来、ビッグなお仕事をなさってください。


「腐敗」


生き物が腐敗していく様を

連続作品として描いたもの。

表現力が凄まじいです。




「タイトル」


先程の作品のタイトル



☆「プレート」


メノウのような鉱石を模したプレート

模したのか実物かはわかりませんでした。



「日常」


日常のテーブルの上を

リアルに再現したオブジェ

オブジェが作品なのではなく

背後に流れる映像や音を含めた

メディアミックスな作品。


「小さな絵」


小さいけれどもとても味わいのある

かわいらしい絵

サッと通り過ぎるつもりが

つい引き込まれてしまう。

そんな作品です。


☆「都会の海」


作品一つ一つをじっくりと鑑賞されています



☆「ビジネスチェア」


工業プロダクトの展示

後ろのポスターに写っている椅子

実物には座ることはできませんでしたが

一つ部屋に欲しい!





「談笑」


ガードしたの風景


「撮影」


金属で構成されたオブジェを

どなたかが撮影しています。


詳細は後ほど。


「板木」


大きな大きな、畳4畳ほどの版画と

その版画でプリントされた作品が

ブースの両サイドの壁に

向かい合わせで展示されています。

まさに圧巻。


「ポスターデザイン」


アーティストの宣伝や

テレビ番組の宣伝を模した

作品たちの展示


本当にこんな番組があっても不思議ではない



☆「ねこ」


タペストリーの奥に

大きなネコ?のオブジェ

ゆるかわ系





「Tatoo」


キューピーちゃんにタトゥー

そして針金


ロックンロールしています。


「コウモリ」


巨大な蝙蝠の絵

しかも江戸時代の書物に描かれているようなタッチ

それをじっくりと眺める紳士


「Colorful 」


ショッキングピンクの

ニット帽を被った

未来のアーティストが

カラフルな装飾の展示を熱心に見ていました。


未来の?いやすでにアーティストですね。


「Black」


こちらはうってかわって

シックな黒の衣装たち


「ニット」


アフリカの伝統衣装を連想させる

ニットの衣類



「旗」


さまざまなデザインの旗

こちらも一つ一つ

熱心に見ていらっしゃいましまた。



「顔」


こちらも南方の部族が

木から掘り出したマスクのようなオブジェ

紙で再現しています。


「疲れたね」


見るものがとてもたくさんあり

どれも素晴らしいので

没頭してみているとかなり疲れます。

心地よい疲労です。


「空を見上げて」


ここで学んだ学生さんたちが

将来を夢見て空を見上げてくれてたら

…いいなぁ。


明日はきっと明るいぞ!


「石膏像」


誰かの作品

仕舞われているのか打ち捨てられているのか



「アポロン」


と勝手に名付けました。

筋肉美

ぼかしは不要です。

日活の技法。


「ブロンズ」


端正な理想像的肉体の

大理石(または石膏)の像に比べ

ブロンズ像は生々しい写実的な

気だるさを表現することが多いですね。


「ドガ」


ここも研究熱心な学生さんが

メモをとりながらの鑑賞。


その景色をローアングルで。


「トータルリコール」


輪切りの感じが

この言葉を連想させました。


「オブジェ」


オブジェを見る人

オブジェに背を向ける人


「視線の先」


もっと私のことも見ていってよ


そう学生さんたちに訴えかけているようです。


「待機所」


寒い中、出番待ちの像の皆さん


「枯葉の墓標」


このタイトルは銀河鉄道999 第21話より。

ブライヤという木でできた森木さんの

心に残るエピソード。


ついそれを連想しました。



「包み込む手」


落としてはいけない大切な何かを

そっと包み込む手


「芸術の散歩道」


さまざまな素材でできた

さまざまなオブジェが林立する歩道



「帰宅」


日が暮れて気温が下がってきます。

家路を急ぐ人たち。


「ひこうきぐも」


後者の向こうに一本の飛行機雲

明日天気になあれ!


「撮影」


タブレットで撮影中の紳士

先程のオブジェを撮っています。


あれ?



よく見ると先程写真を撮られていた方


この作品の作者の方でした。

かつて町工場がひしめいていた大田区出身で、

鉄の持つ硬くて冷たいイメージを

ご自身の作品で温かく、そして柔らかく

表現したい!と精力的に活動されている方



岩森 咲季さん


作品に込めた想いなど

いろんなお話を聞かせてくださいました。


「作品の中へ」



☆「優しさに包まれて」


彼女の作品には確かに

暖かさと優しさが共存しています。

ジブリの世界

またはスチームパンクの世界。



☆「全景」


薄暗くなりフィルムカメラでは

厳しい時間帯に。

そんな中、寒さに耐えて

いろんな説明をしてくださいました。

ありがとうございました。



「はい、ポーズ」


帰りがけにZOKEI展のポスターの前で

記念撮影!


楽しかったんだね!


「また会いましょう」


ステキな体験の連続

ありがとうございました。


本日の音楽はこちら



おしまい