DAY 3 8/8
晴れのち雨
3日目は難関の東鎌尾根を通り槍ヶ岳アタック
早朝はこの通り快晴
この快晴が
「女神の微笑み」なのか
「死の接吻」なのか
結果は後ほど。
ブロッケン現象に遭遇
わかりにくくて恐縮ですが(笑)
山頂エリアはガスってます
実はヒュッテ西岳で
食事をご一緒したご紳士
気さくなおじさん2代目としましょう。
「東鎌尾根を歩くのに、一人だと心許ないので
ご一緒しません?」
とご提案をいただき
急遽タッグマッチを組むことに。
東鎌尾根
序盤しばらくはくだり
こんなところを降りていきます
下ったり上ったり
岩肌が脆くて
ザラッといったら危ない
ので、お互いに近づきすぎず
適度な距離感を保って
声をかけ会いながら進みます。
上高地から西岳に直登する際に通る
水俣乗越
ここで休憩を取られていた
母子の三人パーティ
上の男の子は中学生かな?
下の男の子は小学生くらい。
なんとテント装備背負って
ここまできてました。
「この子たちがどうしてもテントがいいって
いうもんだからねぇ」
なんていってましたけど
その子たちの世話を焼いているお母さんも
若い頃から相当山をこなしてきた感じです。
色白で華奢なお姿からは想像に難いですが。
次は一転して上り
先行する人がどこで時間かかってるか
(=要注意箇所か)
を観察しながら上ります。
慎重に慎重に
両サイド切れ落ちた道を超えると
次はハシゴ場が見えています
「窓」と呼ばれる難所
上りきったあと、
「窓」を振り返っています。
その部分だけ切り取られてる感じなので
横からの風が強いのと、
キレットの表面が平らではなく
でこぼこしているので
私は尻歩き
2代目おじさんは四つん這いで
渡りきりました。
「鎌」の名が語るように
鋭い刃物のような稜線
右上に水色のザックを背負った人
見えます?
鋭角の指がかり
(第二関節から先を食い込ませられる場所)
を探しながら、
を探しながら、
足置きも2〜3回軽く足を乗せ
浮石ではないことを確認してから
グッと体重をかける。
これを三点支持を維持しながら繰り返して
登っていきます。
慣れている人はいいですが
私レベルだと時間かかる〜。
どんどん槍様は近づいているのに
どんどん槍様は姿を隠してく
途中途中に立ちはだかる
岩の壁が憎らしい
注意
左側下旧道の通行絶対危険なり
昭和6年7月22日
大阪市天王寺区
故 山田博二
此処に於いて遭難横死す
と書かれています。
この喜作新道を切り開いた
小林喜作さんをはじめとして
今ほど整備されていない、
情報も少ない時代に
山を開拓した人って
やっぱりすごいです。
両サイド切れ落ちた道も出てきます
そこから赤い線を辿ってきました。
この大きい岩を抜けると
ヒュッテ大槍に到着〜。
ここまできて2代目おじさん、
「私、今日ここに泊まりますわ」
と言って、予約なしで泊まれるか
聞いてました。
台風の影響で、前日の西岳も
この日のヒュッテ大槍も
キャンセルが相次ぎ
宿泊オーケーでした。
11:00の昼食営業を待って
ラーメンをいただきます。
美味い!
2代目おじさんも
「ここにして正解でしたよ〜
噂通り、食事がうまいですもん」
チャーシューもこの厚さ
汗書いた後、このスープが身にしみる
荷物を整理して山頂アタックの装備へ。
2代目おじさん
「ここ、トイレも綺麗だし
衣類の乾燥部屋もしっかりしてるし、
いいですね〜^_^」
とご満悦
ここから先の道も当然先鋭です
下の方はまだいいですが
上がダメ(笑)
この道を進みます。
この道を行けばどうなるものか、
危ぶむなかれ。危ぶめば道はなし。
踏み出せばその一足が道となり、
その一足が道となる。
迷わず行けよ。行けばわかるさ。
穂先もなんも見えません
あと400m
その400m先が見えない
ようやく山頂直下の山荘の手前まで
たどり着きました。
上高地から殺生ヒュッテ経由で来るには
急登でも歩きやすい道ですが
鎌尾根から来ると流石に
神経が疲れる
ぴょこぴょこしてるのがいるなぁ
と思ってたら雷鳥の親子
中央にいるのわかります?
保護色になってて見つけにくいですが。
雛鳥がすばしっこくて撮れてません
見るからに好奇心旺盛で
と言っているような気がしました。
燕山荘での、ご主人の山の話の中で
燕山荘での、ご主人の山の話の中で
何年か前、11月になっても全然雪が積もらず
白く衣替えした雷鳥が
ポツンと土の上にいると
ものすごく目立つんです。
そのスライドを見ていたお客さんたちからは
「可哀想〜」と声が上がりました。
ただでさえ天敵を避けて
雷が鳴るようなタイミングで出て来るから
雷鳥と言われているのに
(所説ありますが)
保護色すらも奪ってしまうと
本当に可哀想ですね。
雨が降り出しました。
空を見上げながら思案し
山を降りて行くパーティを見送りながら、
よし、行く!
と決心しました。
もちろん勝算ありき、
リスクヘッジありき
です。
2代目おじさんに
「いってくるので、1時間待って
帰ってこなかったら先に降りていてください」
と告げました。
2代目おじさんも
え、じゃあ私も決心しますよ
といってくれましたが、
視界数メートルの濃霧の中、
穂先のとりつきで
おじさん2代目はギブアップして
槍ヶ岳山荘に戻って行きました。
お互いに元気付けながら
ともに乗りのえてきたおじさんがいないのは
寂しいですが、覚悟を決めた以上
単独で穂先に取り付きました。
岩に滑らないよう
鎖に滑らないよう
ハシゴに滑らないよう
吹き付ける雨の中
細心のの注意を払って
死に物狂いで登りました。
そして山頂は…
独り占め〜(笑)
そりゃそうだ。
初めて山でガチに死を意識しました。
無事到着しました。
このブログを通じて応援してくださった皆さん
お世話になった山小屋のみなさん、
山道で声を掛け合った登山家の皆さん
道中、飴ちゃんを交換した皆さん
気さくなおじさん初代、
2代目おじさん、
ご縁があったみなさん、
雷鳥の親子さん
みんなみんなありがとう〜!!!
下山後、槍ヶ岳山荘で待機してくださっていた
2代目おじさんに報告
帰りは、少し遠回りですが危なくない
殺生ヒュッテ経由の道を
雷鳥さんが道案内してくれました
とことこ とことこ
途中で道から逸れ、
少し高い岩に親子で登って
見送ってくれました。
なんだか「帰りも気をつけてね〜」
と言われているようで、
思わず「バイバーイ」
と手を振ってしまいました。
さて、濃霧のまま殺生分岐を折れて
殺生ヒュッテ前を通過して
また若干の岩へばりつきを経て
ヒュッテ大槍に無事生還〜!
ヒュッテ大槍に戻ってから
乾杯してくれました。
「お酒飲まないんですか?」
と聞かれて、
下山後の楽しみにしてるんです
といった矢先でしたが、
今日は特別に
山で乾杯〜!
実は
遺族がカメラの写真をチェックした時に
最後に写ってた写真がコレ↑じゃあ
泣くに泣けないな、と思ったので
自粛しました(笑)
というのはただのブラックジョークで、
実際は緊張の糸を解きたくなかったので
最新の注意を払いつつ
なる早で降りる作戦でしたので
とんがりコーン使った撮影は割愛しました。
指がかり OK
足がかり OK
三点支持 OK
落ち着いて呼吸整えて
これらの言葉をずっと繰り返しながらの
速攻アタックでした。
洗濯用洗剤の名前↑みたいですけど。
ちなみにヒュッテ大槍は
燕山荘と同じ系列
さらにことあと
2代目おじさんから
「実は日本酒持ってきてるんだけど
昨日飲めなくて2つあるんです。
持って帰るのも荷物になるから
片付けるの手伝ってもらえません?」
と言われて、
その後もチビチビとやりながら
山の話で盛り上がりました。
それまでの疲れ
槍登頂の達成感
睡眠不足
お酒
の結果消灯前には完全に爆睡
してしまいました。
翌日は歩いて上高地に降る予定です!
DAY 4 につづく!


















































