4/29 晴れ


しばらく前から計画を立て準備を進めてきた
残雪期の谷川岳に行ってきました。

結論から言うと、登頂はできませんでした( ;  ; )


朝5時台、最寄駅を出発。

この時間は「山へ行くぞ!」
って言う格好の人が目立ちます。

ホームでパンをかじりながら、
池袋、新宿方面行きに乗って行った単独女性、
比較的軽装だったので、高尾山か、奥多摩か、
はたまた、あずさで信州にでも行くのかな?

上野駅で6時台の新幹線「MAXたにがわ」
に乗り換え。
こちらのホームでは重装備の山野郎が目立ちます。
皆さんもれなくザックにピッケルをさしてました。


新幹線を降りた後、在来線で水上駅へ。
風景がのどかです。


気分はスイスのアルプス登山鉄道^_^

同じ車両にはスノーボードの板を抱えた
単独女性も乗っていました。


最寄駅は土合になりますが、
アクセスが不便なので、水上駅からバスに乗ります。


そしていよいよ土合口に着きます。

建物の名前は谷川岳ベースプラザ
バス停の名前は谷川岳ロープウェイ駅
駅の名前は土合口

統一してくれんかな。ややこしい(笑)


ゴンドラは、完全停止せず
ゆっくり動きながら流れ作業的に
乗り込むタイプのやつ。

待ち時間が少なくていいですね。


ゴンドラに揺れること15分


天神平に着きました。

ここは春スキーを楽しめる
スキー場でもあります。

ごくごく普通の格好でここまで観光に来た人。
スノーボードの板を抱えて来た人。
登山の格好をした人。

さまざまな山の楽しみ方があります。

ゴンドラで一緒になった、
登山スタイルのご家族は、
「え?こんなに雪があるの?」
「雪山じゃん」
「どうする?」
「行けるところまで行ってみよう」
なんて会話をしていました。

装備がないなら危ないところには
行かんといてください(⌒-⌒; )


ちょっとここで
私流登山計画の立て方を紹介します。


まず、初めて行く山については
行く時期に合わせて
ネットで状況をかなり調べます。

経験者同伴で行かれる分には
いろいろとアドバイスを受けたりして
問題ないのでしょうが、
私は基本的に下調べや準備の段階から
自力で山を楽しむ、
をモットーにしています。

下調べの具体的な方法は、
ここ数年の同時期にそこに行った人のブログを
片っ端から読んで大体の状況を把握し、
YAMAPなどの登山情報サイトで
直近の1週間くらいで行った方の情報を得て
それ以降の天候(雨が降った、など)を
総合判断し、予定日の状況を推測します。
山小屋がオープンすると
山小屋が運営するブログも
貴重な情報源です。
ウエアやギアの選択について
アドバイスが書かれていたりします。

次に「山と高原地図」で登るコースを決め
そのコースの標準コースタイムを参考に
休憩時間などを考慮した
山行中のタイムチャートを作ります。

最後に、そのタイムチャートを適切な時間内に
こなせるよう逆算してアプローチの交通手段を
調べます。

こうしてできた計画書には分刻みで
行動予定が書かれています。

そして、いわゆるコンテンジェンシープラン、
何時になったら、どこにいても引き返す、
というリミットを決めておきます。
入山届に書く下山予定時刻を厳守するためです。
「あともう30分で着くから、
予定を遅らせてでも行っちゃえ」
はやりません。ソロ(単独行)だからこそ。
「人様に迷惑をかけるようなことはしない」
が大前提です。死なないためにも^_^

で、今回この最後のコンチプランに
引っかかり、途中で引き返しました。
理由は後ほど。


話を元に戻して、当日の様子。

ゴンドラを降りてから、
身支度を整えます。
アイゼン、ゲイターの装着やウェアリングなど。

この時点で時刻は9:50
タイムチャート上の登山開始は10:00
そして、軽く準備運動をして、
スキーのリフト乗り場の横にある
登山入口から定刻どおりの登山開始です。

いざ!

と思ったら、普通の観光客のおじいさんに
おもむろに話しかけられました。
「どこまで行くの?何キロくらいあるの?
何時間くらいかかるの?」
質問攻めです(笑)

しばしおはなしをして、
あらためて出発!
カメラのレンズにゴミが付いていたのか、
しばらく写真の左上が黒く陰ってます。

先に登った人のトレースなどを活用して
登っていきますが、まずこの雪が曲者でした。
新雪とも圧雪とも違う、
ふわふわのかき氷みたいな雪。
他の人のつけたステップに
足をかけても、根こそぎ崩れ落ちたりします。
そのため、常に強めのキックステップで
一歩一歩丁寧に登っていきます。

雪の斜面をひたすら登った後…
問題が生じました。


先行する写真の男性、
そして写真には写っていませんが
私の後から来た男性3人のパーティ
そして私も、揃いに揃って、ロストです(⌒-⌒; )

トレースに従って歩いていたら
そこはコースから外れたところでした。
しかもトレースが途中で不明瞭になり、
道がわからなくなりました。
そして三者それぞれ別の判断を下したのです。

写真に写ってたソロ男性は来た道を戻りました。
三人パーティはトレースを探しながら尾根の反対側におりました。
私は、地図上のコースに最短で戻れるルートを決めて
斜面を直登しました。

直登する方向にトレースのようなものが見えたので
大丈夫だろうと思って登りましたが、
トレースのように見えたのはまさかの
アニマルトラック。
雪上の獣道でした(笑)

程なくしてノーマルコースに戻れたのはいいですが
割と遠回りだったようで、
三人パーティさんには二度と会うことは
ありませんでした。
おそらく随分先に行ったのでしょう。


途中で見かけた花
ファインダーを覗くことができない
体勢だったのでピンぼけです(笑)

ショウジョウバカマ


ノーマルコースの路面状況

地面が温められ、雪が下から溶けていって
空洞があちこちにできています。
大きな石の右下の空洞、わかります?

どうやらこのような道を迂回するために、
雪の上に「マキ道」ができていたようで
三人パーティの選択が「正解」だったと
この時気づきました。


雪を踏み抜くと、靴が水没したり、
捻挫などの怪我をする可能性があるので
ストックでつついて、乗っても良いかどうか
確認しながら進みます。

途中のトラバース、
そしてこの歩きにくいルート選択で、
大幅に時間を費やすことになりました。




その後、クサリ場(実際にはロープ)で、
先ほどの引き返したソロ男性に追いつかれ
抜かされていきます。

このソロ男性、実はアイゼンを付けていません。
でも足運びがうまく、アイゼンを付けた私より
かなりのハイペースで危なげなく歩くんです。

私にはそのような技術はないので、
クサリバ場や岩場に出ると、
その都度アイゼンを外しては仕舞い、
雪道に戻るとアイゼンを取り出しては装着
という、非常に効率の悪い行動になりました。


じゃあアイゼン付けずに行こうか
とも思いましたが、この斜面を滑落して
無事でいられる自信はなく、
時間よりも命が大事ですので
面倒くさいですが
アイゼンを付けたり外したり、
を繰り返しました。





熊穴沢避難小屋に着いた時には
予定より1時間オーバー。
予定では昼食はまださきでしたが、
ここで昼飯を取りながらプランの
再組み立てをします。

この時点で既に山頂へ向かう人はほぼいなくなり
山頂から帰って来る人で混み始めています。

そこで判断しました。
このすぐ上にある
「天狗の溜まり場」と呼ばれるピークを
私のゴールにしよう!と。

天狗の溜まり場直下

ここから引き返します。
いわゆる、敗退です。

ここからの帰りは早かった

あれほど苦労した雪の斜面も、
富士山の砂走りの要領で爆速(笑)
足をついたあたりの雪が崩れる前提で
ザーザーと滑り走る、アレです。

富士山と違うのは
スピードが出過ぎないよう
ピッケルのピックを雪に軽くさして
ブレーキをかけながら、ですね。
尻セードはしませんでした。

谷川岳ロープウェイのバス停から出るバスは
1時間以上待ちましたが、
それが最終バスから2本目でした。
もちろんあそこから1時間でピーク踏んで
戻ってこれるわけではなく、
最終バス(17:10)は、
たとえこの季節であっても雪山の夕暮れは
危険なので、あのタイミングで戻って来て
正解だったと自分に言い聞かせて
帰路につきました。

う〜ん、やっぱりまだ雪山は経験値不足ですね。
今回、いろいろ勉強になりました。



筑波山同様、またリベンジします。
するなら来年のGWか。

今回は敗退なのでクールダウンも温泉も無しです。