「昔の武蔵野は萱原の
はてなき光景をもって
絶類の美を鳴らしていたように
いい伝えてあるが 、
今の武蔵野は林である 。
林はじつに今の武蔵野の特色といってもよい 。
すなわち木はおもに楢の類いで
冬はことごとく落葉し 、
春は滴るばかりの新緑萌え出ずる
その変化が秩父嶺以東十数里の
野いっせいに行なわれて 、
春夏秋冬を通じ霞に雨に月に
風に霧に時雨に雪に 、緑蔭に紅葉に 、
さまざまの光景を呈する
その妙はちょっと西国地方
また東北の者には解しかねるのである 。」
国木田独歩 「武蔵野」より
本来の目的地に行くことが叶わず
急遽予定を変更して深大寺へ。













