「2013夏 乗鞍岳アタック1」の続きです。

山歩きについて。

山歩きというと、山頂に立った達成感や
素晴らしい景観と引き換えに、
急な斜面を汗水ながしながら
登るというイメージをもたれている方も
多いと思います。

このイメージは正しいのですが、
山にはまだいろいろな魅力があるのも事実です。

山頂にむけて山道を歩いて行くと、
すでに下山してくる人たちとすれ違います。
見ず知らずの人ですが、お互いに
「こんにちは~」
と声を掛け合います。

この日、中学生くらいの子たちも、
元気に「こんにちは!」と
声をかけてくれました。
私も挨拶を返すとともに
「山頂まで行って来れた?」
と聞いたところ、
表情を曇らせ、しばらくの沈黙のあと、
「・・・途中で挫折しました」
と悔しさをにじませていました。
以前紹介した漫画「岳」に
こんなセリフがありました。
「よくがんばった!
 山頂も山だけど、ここも山なんだよね。」
思わずこの言葉をかけようとしたら、
その子たちはすでに先へ歩いて行って
しまいました。

こんなふれあいがあるのも
山の魅力かな、と思います。
表参道あたりではあり得ない話ですから(笑)

今回は、登山中の景色を紹介します。

photo:01
振り返るとそこには、
雲海から顔を出す北アルプスの山々。


photo:02
中央に見える鋭利な山は
有名な「槍ヶ岳」です。

槍ヶ岳の穂先の先まで登るのは
山好きとしては一度は憧れるものですが、
かなりの経験と技術を要するため、
簡単には実現できません。

「アルプス一万尺 小槍の上で~」
という歌があります。
この小槍は、この槍ヶ岳の槍の穂先の
近くにある、同じように鋭利な岩のことです。
もちろん、そんなとんがった岩の上で
アルペン踊りなんて踊れません(笑)

槍ヶ岳の右手前に見える山が、
これも登山家あこがれの山、
穂高連峰になります。
日本で3番目に高い山、
奥穂高岳と、その隣の
「ジャンダルム」が見えます。


photo:03
乗鞍にはこのような山上湖が
いくつもあります。
直射日光があたれば、本来なら
ブルーやエメラルドグリーンに輝きます。
この色は、岩から溶け込んだミネラル分の
影響だと言われています。
氷河なんかも、深層部分はところどころ
ハッとするようなブルーだったりしますよ。


photo:04
23ある乗鞍の山はほとんどが
このような礫の上を登って行く事になります。


photo:06
カールを渡って来る風が
とても気持ちいいのです。

遠くでゴーという音が聞こえます。
飛行機か、雷鳴か・・・。
音はすれども姿は見えず。
遥か彼方なんですね。
聞こえてくる音はそれだけです。
蝉の声もクラクションも上司のぼやきも
何も聞こえてきません。


photo:07
では道草はこのへんにして、
山頂を目指しましょう。

手前の丘陵にクイがたっています。
ここもれっきとした山です。
蚕玉岳(こだまだけ)と言います。
蚕玉岳の山頂が、2,979m
ここまで来ると酸欠で息苦しくなってくるので、
大きく深呼吸し、呼吸を整えてから
最後の胸突き八丁をのぼることにします。

その先に見える祠が剣が峰、
3,026mで、日本で19番目に高い山です。

その山頂まであと少し・・・。







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