夕暮れ時に雨も止みかけた
大事なクライアントと重要な会議が
終盤にさしかかった19:00過ぎ
ふと携帯がなり出した。
プライベートの携帯だ。

誰からだろうと、番号だけ確認し、
会議に話を戻す。
しかし表示されていた番号は国際電話だった。
番号こそ見覚えはなかったが、
古い友人からだと直感した。

最後に話した時には、脳に腫瘍ができ、
激しい頭痛に悩まされているとほざいていた。

まさか!? 嫌な予感・・・。

会議を終え、かかってきた番号に
SMSの送信を試みる。

しかし、いざとなると言葉が出てこない。
普段使っていない言語では
なかなか文章が組み立てられないのだ。
いっそ英語で書こうか?と思いつつも
まずはカタコトで本人の確認だけ送信。

・・・返信がきた。思わず笑いがこみあげる。
冗談にしては笑えないが、
これは間違えなく、ヤツだ。この死に損ないめ。
「今なら電話かけてきてもいいぞ。」
そう返すと、ほどなくして電話がかかってきた。

思っていたよりずっと元気そうだ。
今は落ち着いているんだな。ほっと胸を撫で下ろす。

ドクターの許しが降りたので、
近々日本に行くぞ!とのこと。
久しぶりに日本食をたらふく食わせてやる。
以前のような好き嫌いは
もう言わせない…

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