どこかで目をなくしたらしい・・
信号機の下でも
あの高架下でも
ありそうでなさそうな場所なんて
知る限りじゃ 多すぎて 疲れる
産まれたばかりの形で
握った指の感触で
昔々の風景を探してた
覚えたての 心拍数で・・
どこかで耳を壊したらしい・・
パチンコ屋の前かな
公衆電話の中かな
どこでもいいや なんて思えてきて
無色無音の世界に 恋をする
選ばれて立った体で
結んだ指の熱量で
遠く遠くの風景に惹かれたら
諦めた今日も 作り笑い
ねえ ねえ 僕の目を刳り貫いて
そこのあなたに嵌め込んで
どうだっていいから 僕はどうでもいいから
あなたに見える世界が 鮮明であるように
ねえ ねえ 僕の耳を削ぎ取って
そこのあなたに縫いつけて
雨音も 笑い声も 夏の風も 海の凪さも
あなたには沢山 聞いてほしいから・・
きっと・・ 神様に送るんだ・・
この手は その為にあるのかな
怪物だって 避けられて傷ついた心に
僕が引っ越すとしよう
恐怖なんかは 食べ尽くして
おいしい話を 作ってくるからね
あなたを選んでくれたんだ
心はこのために あったのかな・・
透明な糸を辿っていったら 僕の前に
・・あなたが いたんだ
優しい世界で 嫌われた怪物は
この世界に似合わない程 優しかったね
ねえ ねえ 僕の目を売り捌いて
その金を あなたにあげたい
道端で萎えた 名もない花みたいな
あなたに 名前を 買ってあげたい
ねえ ねえ 僕の全てを あなたに
嘘も 存在も あなたに・・
どこか似ているようで 似つかない僕らは
やっぱり同じ場所で 産まれたみたい
未完成の体で生まれたあなたの為に・・
・・・ 僕が いるのかもね ・・・
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