あの人は嘘をついた・・
話があると 橋の上に呼び出して
「何?」 「さよなら」 私を突き落とす
私は嘘をついていた・・・
あの人に押された時に こう言った
「ありがとう・・」
街が賑わい始めた頃
私は空家の床で俯いた・・
私が泣けば 街が笑う
そうか これは夢なのか・・
あの人の肩に添えて あの人の頬に触れて
温みを貰えば それで良かった
あの人は 人間ですか? あの人は 人間ですか??
この手が届かなくなって あの感触も忘れて
ふいに「ありがとう」って・・
私は 人間ですか???
あの人は 嘘になった
あの日 歩道橋から身を投げ出して
私の手を掴んで 手すりに掛けた
私は嘘でありたい・・
あの人はどうしたかったのかなんて
知りたくない
髑髏でもってできた街
その一つを 人間と呼んでいた
私は街 人は街
夢よ早く 消えてしまえ
あの街の手を握って あの街の背に寄って
私はそれで 幸せだったのかな
あの街は人間ですか? あの街は人間ですか??
この声が届いてほしくて 泣いている・・
そこに「ありがとう」って
温かい声がした・・・
嘘をついてまで 幸せになりたいの?
誰かを殺してまで 幸せになりたいの??
それが人間ならば・・人間ならば・・・
私は人間になんて なりたくなかったよ
多分でも これが人間じゃない
人間を装った その形をした
人間になろうとした これが人間だと思い込んだ・・・
病気だ・・きっとそう・・だから・・
あの人の肩に添えて あの人の手をとって
本当の人間のあり方を・・治し方を・・
あの人は人間です あの人は人間です
嘘のない言葉で言えるように届けたい
本気で 「ありがとう」 って・・・ 私も人間ですって・・・
あの街に燈火を あの街が私たちを
幸せにしてくれるように・・作られた姿に 戻れますように・・
・・・あるべき街に 戻れますように・・・
この手で祈って この声で願って
この手で救って この声で導いて
いつしか 「ありがとう」 って
これが人間なのでしょう
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