日本野球への提言─その1─ | まだまだ続く独り言

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在米スポーツライターの雑記帳

まずは久々のブログ更新になってしまい、大変恐縮しています。

ここ最近NumberのコラムでNPB批判が続いたのをご存知の方も多いかと思います。そんな中、読者の何人かの方から「解決策まで導いていない批判は十分ではない」という意見を頂いておりました。

個人的にはあくまでMLB側から考察したNPBへの問題提起のつもりでしたので、解決法の部分に関してはMLBというコラムの範疇を超えてしまうので敢えてその部分には触れずにきておりましたが、読者の方には満足頂けない部分もあったのは否めないようです。

そこでこのブログの場を通じて自分なりの解決法を述べていきたいと思います。まずは日本の国内問題にあたるドラフト制度についてです。

まず現行のドラフト制度についてはまったく反対です。そもそもドラフト制度の意義というのは、各チームの戦力均等化にあるはずなのに、現在の抽選制では結局成績下位チームから上位チームまで均等に有望選手を指名する権利を与えているわけですから、ドラフト制度の意義が骨抜きになっています。やはり成績下位チームから指名できる完全ウェーバー制に戻すべきだと思います。

その一方で、NBAのようにドラフト指名権そのものをチーム間でトレードできるようにするのです。つまり数年前の長野選手や今回の菅野選手のように希望球団と相思相愛の選手がいる場合、球団が上位指名権を得られるように下位チームとドラフト権を事前に(もしくはドラフト当日でも構いません)トレードで獲得すればいいのです。

これならば獲得したい選手がいる成績上位チームが、上位指名選手を獲得する場合は、それなりの犠牲(金銭、選手、もしくは別のトレード権)を払わなければならないし、戦力が人気チームに集中することもない。また選手が希望球団に入れなかったとしても、そのチームが自分を欲しがっている真剣度が明確にわかるわけですから、ある程度諦めもつくことになるでしょう。

さらに現在MLBで採用されている有望FA選手の流出を補填するためのドラフト権の譲渡も採用すべきです。これは球団が残留を希望するFA選手については特別指定を行い、その選手が他球団に移籍した場合はその球団から翌年の1巡目、もしくは2巡目のドラフト指名権を獲得できるのです。こうすればFA選手の移籍は多少難しくなりますが、一方できちんとした人的補償ができるのです。

こうなると例えば、ベイスターズのようなFA移籍も多く、長年下位に低迷するチームは、場合によってはドラフトの1巡目指名権を複数獲得することができます。それをそのまま利用し、有望選手たちを多く獲得して将来の育成に賭けることもできますし、またトレード権を利用して上位チームにトレードすることで、即戦力の補強やFA選手との再契約のための年俸資金を補填することもできます。

完全ウェーバー制でもいろいろな細かい規則を加えていけば成績上位チームでもある程度納得できる制度になり得るのです。本来の目的意義を失った現行ドラフト制度を続けることは、各チーム平等といいながら結局は成績上位チームが得をしているだけです。一刻も早い制度改正を願っています。

次回はMLBとの国際問題についての解決策を考えていきたいと思います。

今日はこの辺で…。