映画史に…という語り起こしはずいぶんと大袈裟ですけれど、「マカロニ・ウェスタン」は確かにひと時代を作ったようでありますね。そうはいっても本当に主だった作品しか見ていなかったものですから、Movie Plusで放送されたときに「取り敢えず…」と録画しておいた2作品をようやっと見たのでありまして。

 

 

ひとつは「続・荒野の1ドル銀貨」というもの。「続」でない「荒野の1ドル銀貨」は何度か見たことがありますので、さてどんな「続」なのかと思ったところが、両者に関わりは全く無いのですな。

 

まあ、改めて驚くにも当たらないと思い返しましたですが、何しろ「荒野の用心棒」(クリント・イーストウッド主演)と「続・荒野の用心棒」(フランコ・ネロ主演)からして全く別ものですし。


ただ、「一ドル銀貨」の方は正続ともにジュリアーノ・ジェンマ主演なだけ少々はぐらかされたというところかと。だいたい「荒野の1ドル銀貨」は(いまさらこの作品でネタばれして、とやかく言われはしないでしょうから)撃たれたと思うも、胸ポケットの1ドル銀貨に助けられたということでオチを付ける作品ですから、「続・荒野の1ドル銀貨」となると、一ドル銀貨に助けられること再び…とは想像するだけ馬鹿馬鹿しい。

 

多分に安易なタイトル付けの結果と思うわけですが、それでも「荒野の1ドル銀貨」がそれなりに好評であったろうからこそ主演者が同じというだけで「続」としてしまったのでありましょうなあ。

 

ところで2作品見たという2作目の方は「ガンマン大連合」というもの。いやはやここまで工夫の無いタイトル付けになってきますと、タイトルを見ただけで「マカロニ・ウェスタン」と知れる効果はありそうですね。

 

 

で、この映画の終わりの方になって正に「荒野の1ドル銀貨」と全く同様の、1ドル銀貨の使われ方がされるのには、驚き、呆れるといいますか。劇中で1ドル銀貨自体はかなり最初の方から含みを持たせる感じではあるものの、よもや二番煎じの使い方を正面切ってやってしまうとはゆめゆめ思わず…。

 

ですが、こんなふうに全てにおいて(とは言い過ぎながらも)かなり安直な作り自体が肩の凝らない娯楽作たるところもであって、「マカロニ・ウェスタン」の独自性を確固とさせているのやもしれませんですよ。

 

ただし、間違いなく面白いのはマカロニ・ウェスタン初期、クリント・イーストウッドが主演した3作で、その後にこれを超えるものはでていないのではないかと思いますが…。