先日は「ラーメン刑事」なんつうTVドラマ(といっても、映画チャンネルNECOオリジナルらしいですが)を見て、

さらに今度は「行列の女神〜らーめん才遊記〜」てなものまで見てしまいましたら、

矢も楯もたまらず「ラーメン食いたい」状態に陥り、当座しのぎとカップ麺に手を出してしまったり(笑)。

(もちろん、器はプラでなく紙製のカップ麺ですが、と敢えてことわるまでも無いのですけれど)

 

それはともかくこのドラマ、TV東京の「ドラマBiz」という枠で放送されたものでして、

「Biz」というだけに経済ドラマを手掛けてきたそうなのでありますよ。

 

ですので、このドラマもラーメンにフォーカスして食べ歩くこともありますが、

それはある種、市場調査のようなものでして。主人公・芹沢達美(鈴木京香)は

ラーメン店主のカリスマであるとともに、ラーメン屋に特化したフード・コンサルティング会社の

社長という位置づけでありますから。

 

で、ここではまたラーメンのことを受け売りでああだこうだと言うのではなくしてですね、

ふとコンサルティング業の方のことを考えてみたのでありますよ。

まずは取り敢えず「コンサルティング」の意味を改めて探っておきますが、

goo辞書(デジタル大辞泉)にはこのような語釈が載っておりますよ。

専門家の立場から相談にのったり指導したりすること。また、企画・立案を手伝うこと。

「まあ、そういうものだぁね」と思うところでしょうかね。

ただ、単純に考えても「何かしら」の相談事、あるいは指導を受けたり、企画・立案もしてくれるということは

その「何かしら」に関して、専門的な知識なり経験なりが一定の評価としてあるとの前提になりましょう。

先のドラマで言えば、ラーメンの、ラーメン店経営の、いわばプロであるというわけで。

 

かつて職場で、人事制度の見直しという懸案事項の解決が企図されたときに

コンサルティング会社からアドバイスを受けようということがあったのですなあ。

そこで「こうしたらどうか」という改善提案を示してもらうことになったわけです。

 

問題点の指摘などは「ごもっとも」なところでして、なるほどこの分野のプロなのであろうと思うところでして、

それを解決手段の提示も制度のシステムとしてはよく出来ているというか、もっともらしいというか。

 

そのプレゼンの場に同席していたものですから、ひととおりの説明が終わったところで

ひとつ質問として「ご提案の内容を導入した結果、成功事例はどのくらいあるのでしょうか」と

尋ねたのでありますよ。結局のところ、この質問への明確な答えは得られませんでした。

 

そもそも意地の悪い質問ではあると、こちらでも想像しつつ投げかけたわけですが、

「やっぱりなあ」という印象。制度として、いくらうまく作られていたとしても、

それを機能させるよう組織風土をどう変えるかが問題なのであって、

そこを置き去りにしたまま「導入すればこんな効果があります」と言われても、

絵に描いた餅を眺めているようなもので…(やはり導入は見送られました)。

 

こんなことが記憶の奥底から蘇ってきましたのは、ドラマ「行列の女神」の中で

とあるラーメン屋さんのコンサルティングの場面を見たからなのですね。

 

新商品の2社コンペになったときに、若手社員が全く新しいレシピに基づくラーメンを作ってみせ、

確かに「うまい」と皆に好評を得るも、依頼主の側ではライバル社の提案を採用することに。

そちらは店で従来から提供するとんこつラーメンの改良版だったわけで、

斬新さ、目新しさの違いは一目瞭然ながら、店主は後者を選んだ…。

 

愕然とする若手社員に芹沢社長が諭して曰く、提案した新たなラーメンは確かにおいしいが、

作るのには店主の手にあまるものではないかと。当初はいいが、だんだんと

店主にできるなりのラーメンになっていってしまうのではないかというのですな。

その点、ライバル社の提案は作り慣れたラーメンの改良版、店主が対応できる範囲というわけです。

 

「こんなにおいしいもので勝負したらどうです」と言っても、

受け入れる側がそれに対応できるかまで見極めて提案しなくてはと、

コンサルティングの心構えを語るのですなあ。

 

ですが、現実にそこまで考えてくれるコンサルティング会社とはそこまでやってくれるものなのかどうか…。

まあ、そうした形のコンサルティングに接したことがないというだけなのかもしれませんが、

どうも世の中にはたくさんのコンサルティング会社があるものの、

虚業のような気もしてしまうのでありますよ。全てがそうではないのでしょうけれど…。