どうやらふた月近くも前の放送だったようですが、TV東京「モヤモヤさまぁ~ず2」で

比較的近所の小平市を取り上げていたのをつまみ食い的に見ておりました。

 

小平を「都会から一番近いプチ田舎!」と呼んでいたものの、

はて、小平市民はどう思ったろうか…と、これは小平が都会だと言っているのでなしに

実のところ、多摩地域全体が同じようなもの、プチ田舎であろうと思ったりするものですから。

 

とまれ、その小平を取り上げた放送回で紹介された食事処のひとつに

こんなお店があったのですね。「宮廷麺 なにや」という店です。

 

 

「モヤさま」に影響力がどれほどあるのかは判然としませんですが、

とりあえずはしばらくしてほとぼりがさめたら食しに行ってみるかいねと思っていた次第でして。

で、店に入る前からこんなふうにくぎを刺す貼り紙があったりするのですな。

 

 

番組の中で、しきりにさまぁ~ずが「ラーメン?」と突っ込むのに対して、

店主のおじさんが「ラーメンじゃありません、宮廷麺」と返すようすが印象に残っていたところ、

店内に一歩足を踏み入れますと、あたかも牛丼屋のように「コ」の字になったカウンターの中央を

忙しく行き来しているのは、まさにあの店主のおじさんではありませんか(ま、そりゃそうなんですが、笑)。

 

お昼どきとあって、ほぼほぼ席は埋まっているのは店ご自慢の翡翠麺とやらを楽しみに来ているのか、

それとももはや単なる昼食として来ているお馴染みさんなのか…。

 

壁に貼られた「ワンタンメン」、「チャーシューメン」などなどのメニューを見たところでは、やっぱりラーメン屋っぽい。

そんな中でもっともベーシックと思しき「中国麺」というのがこちらになりますが、やっぱりラーメン…。

 

 

 

こだわりは麺にあるのですから、その麺を分かるように写しませんと食レポにはならないながら、

そそくさと食してしまい…。ただ言えることはこの翡翠麺とやら、そばかすを散らしたような点々がありましたなあ。

で、味わいはと言えば、ちょっとラーメンとは違うものの、こういっては何ですが、やはりラーメンの方が馴染むなあと。

やはりかんすいが使われていませんといささかパンチが効かないといいますか、それだけ上品な感じとも言えますが。

 

 

ここは麺類を提供する飲食店ながら、伝統の料理を再現することに注力する研究所?のような認識でもありましょうか、

その研究成果の一端として、店内には「翡翠麺を食した中国歴代皇帝」として明代、清代の皇帝の名がずらり。

宮廷で食されたものなのだと考えるにつけ、上品なと感じた印象は外れていないのですよね。

まあ、そんな上品さは庶民にはパンチが効かないと思えてしまうところなわけですけれど。

 

 

一方で、お店ご自慢のもうひと品ががこちら、「手打三色大餃子」と。

写真の色合い悪しく少しも美味しそうに見えませんが、これはうまいですよ。

しかし、三色餃子とはいえ、ひとつひとつが三色国旗のような皮に包まれて出てくるとはゆめゆめ思いませなんだ。

 

貼り紙の中に「特許庁登録実用新案」として番号まで書かれてあるのですから、

全くのここオリジナルなのでしょうね、たぶん他が真似ることもないような気はしますが…。

 

ところで、ここのお店を訪ねて面白いのは店内に貼り出されたさまざまな貼り紙でもありましょうか。

メニューが貼ってあるのはもちろん、宮廷麺の紹介もまた当然ながら、

こだわりの食材の説明書き(店内ではその食材自体もあれこれ販売されているという)や

それ以外に店主から伝えたいことがたくさん、たくさん掲示されているのですなあ。

 

これが「オヤジの小言」的な嫌味にならず、微笑ましく思えるのは店主の穏やかそうなお人柄と、

あくまで「ラーメンではない」宮廷麺の普及に掛ける心意気のたまものでもあろうかと。

 

ではありますが、[食べログ]ではしっかりとラーメンに分類されている。

仕方がないこととはいえ、ご店主としてはやるせない思いなのではなかろうかと思うところです。