地図上、上の方に見えております「竜神大吊橋」から常陸太田市をひたすら南下し、
たどり着いたのは下の方、真ん中あたりに「西山の里」と書かれているところ。
山間を離れて、すっかり市街地に下りて来た印象ですが、ここはどうやら里山の端であるような。


 

かような地元特産物販売所兼食堂でもある建物を抜けると、
すぐに庭園が広がっておりまして、奥へ奥へと続いているようでありました。


 

これをずい~っと進んでいきますと、いちばん奥まったところに西山御殿、
つまりは水戸藩二代藩主徳川光圀、水戸黄門として知られる人ですけれど、
その人終焉の場ともなったご隠居所があるのですなあ。


 

奥へ向かう道すがらには「助さん住居跡」なる看板も。

西山御殿に近い辺り一帯は不老沢と呼ばれ、光圀に仕えた家臣の屋敷があったそうな。

 

 

「明治初年に付近の水田が開発されたために用水池にな」ったということでして、

行ってみるまでのことはしませんでしたが、助さんこと佐々介三郎(ドラマでは佐々木助三郎)は

この池の奥の方に 住まっていたそうでありますよ。

ちなみに格さんはここに住まっていなかったようですが、 それはそれとして…。


 

木立の間からは大きな石碑が垣間見え、「朱舜水碑」と。
朱舜水は、明朝の滅亡に際して日本に渡ってきた儒学者ですけれど、
長崎にとどまっているところを光圀が招聘して水戸に赴いたこともあり、
「水戸学へ思想的影響を与えた」(Wikipedia)と、そういう関係でこの碑があるのでしょう。


 

ところで竹林を背景に突如として現れるこの建物は、どうやらガイダンス施設ということで。
中には徳川光圀の年譜紹介やらの解説と、TVドラマ「水戸黄門」で使われた黄門さまの杖なども
展示されておりましたですよ。


 

そう言えば庭園の方には「光圀公没後三百年」の記念樹として

難波梅(黄門さまお気に入りの梅であるとか)が植えられておりまして、

この記念樹の植樹者が俳優の佐野浅夫であるとは。三代目の黄門さまを演じた人ですが、 

個人的に水戸黄門といえば東野英治郎ですなあ、やっぱり(笑)。

 

とまれ、ドラマを思い出させる資料も多いガイダンス施設を過ぎるといよいよその先に、

西山荘の入口が見えてくるのですな。国指定史跡かつ名勝ということでありますよ。


 

ということで、入口までたどりついたところで、

いささか長くなってきましたので、御殿のようすはこの次ということに。