先にバルビゾン派とされているも少々それとは違うっぽいジュール・デュプレの海景画を見たですが、
Wikipediaのデュプレの項には、ギュスターヴ・クールベ描くところの肖像画が貼ってありますね。
クールベも波の絵を描いたりしてますので、デュプレと海で出会ったか、
はたまた鹿の絵もあったりするところからすると、森でバルビゾン派とニアミスしていたか…。
とまれ、ライプツィヒ造形美術館でのフランス絵画巡りの続きはクールベからということで。
1870年頃に描かれた「ジュラのル川」ということで、ジュラ地方を流れるル川は
クールベの故郷地方オルナンにも流れていたのではなかったかと。
ちょうどパリ・コミューンに関わって政治的な活動をしていた頃かと思いますが、
ふと思い出すのは故郷を流れる川のこと…だったりしたのでありましょうかね。
ということで、バルビゾン派やら写実主義のクールベやらを見て来ましたけれど、
同じような時期には後の印象派につながる動きも見えてくるわけですよね。
このウジェーヌ・ブーダンの風景画あたりが端緒となって。
このドーヴィルの港をブーダンが描いたのは1860年ですが、ノルマンディー地方の海辺は
後に印象派の画家たちがこぞってその景色をキャンバスに留めることになりますなあ。
この、クロード・モネが描いた「エトルタ海岸の小舟」(1883年)のエトルタもノルマンディーでありますね。
と、さもフランス絵画の潮流をたどるようでいて、この一枚はいかがでしょう。
これがむしろ「印象派に先立つ時期の画家」(Wikipedia)によるとは俄かに受け止めがたく。
この「Halberd-bearer」(長槍を持つ人物のことですので、右側に見えてますな)という作品などは
世紀末以降、さまざまな画風が現れる中の一枚と言われた方が得心しやすい気がします。
描いたのはアドルフ・モンティセリ、入れ込んだのがドラクロワで、そこに始まって独自性に至ったとなれば、
まあ、分からないこともないですかね。
と、エドガー・ドガのデッサンを間に挟んでお次に登場願うのは、
ポスト印象派で時に点描を使った作品もあったりするギュスターヴ・ロワゾーの作品です。
ゴーギャン始めポン・タヴァンに集った画家たちとの親交があったようですけれど、
ここにはフォーヴに繋がっていく気配を感じたりしますですねえ。
とまあ、この時期の絵画は本当に個性豊かですなあ。
あれもこれもと見入っていくと、いつまでも美術館にいてしまいそうでありますよ。