ドイツの話を書いていくわけですけれど、知多半島常滑半田紀行 も宙ぶらりん。

もう少しで区切りがつきますので、これも終わりまで書いてしまいたいところです。


ということで、MIZKAN MUSEUM を訪ねて最後の話になります。

ひととおりのガイドツアーを終えた後、館内のホールで

「知ってなっとくぅ~展」というやっていましたので、覗いてみることに。


「知ってなっとくぅ~展」@MIMホール

すると、納豆にまつわるうんちく(?)をあれこれ仕入れられるといった具合でして、
例えば「納豆のネバネバの正体とは?」というあたりからまいりましょう。

ネバネバはアミノ酸の一種の「グルタミン酸」が一列に5万個近くもつながってできた長い糸(ガンマポリグルタミン酸)と、「フラクタン」という糖質がスパゲッティのようにたくさん絡み合ってできています。

つうことは、ネバネバ自体が旨み成分でもあるというなのですかね。
それにしても、このネバネバの糸、かなり丈夫なようです。
「20m以上伸ばしても切れなかったという実験もあ」るのだとか。


ネバネバに続いては、納豆に特徴的なあのにおいについてです。

納豆のにおいは納豆菌が醗酵の途中でつくり出すたくさんの物質のにおいが混ざり合ったもので、それら全体が溶け合い、一つのものになっていることがわかりました。…ある研究者が調べた結果、納豆には68種類のにおい成分があることが確認されました。

いやはやなんとも、やっぱり複雑なにおいだったわけですね。
それでも成分の代表的なものとしては「ピラジン類」、「ジアセチル」、

「低級分岐脂肪酸」、「アンモニア」が挙げられるのだそうですが、

(言葉だけを聞くと「なんか体に悪そう」という気もするような…)
ピラジンは「香ばしい香りのもと」で、「ジアセチル」はバターの香りの主成分なのだそうな。


ところで「納豆は健康にいい」とは本当であるか?という点では、
「食後の血糖値の上昇を抑制」するという効果があるということでして、
先にお酢を毎日適量飲むことでの健康効果の中にも同じく

「食後の血糖値の上昇抑制」がありましなあ。


ですが、そも食後に血糖値が上昇すると何かまずいことがあるのかと思いましたら、
「急激な血糖値上昇が繰り返されると、糖尿病につながるおそれがあ」るのだそうですよ。
どうにも知らないことだらけでして…。


とまれ、納豆に関するうんちくは続きます。
納豆は東日本ではよく食べられ、西日本ではあまり食べないと言われる点です。

古くの納豆は、煮豆を藁に包んで、糸が引くまで発酵させて作ります。こうした作業は、雪の深い米作地帯で多く行われ、気温の低い地域では、魚・野菜に代わる貴重なタンパク源となっていました。…それが、関東エリアにも広がり、納豆を好む背景になっていると言われています。

これに対して、「西日本は東日本に比べ高温多湿で、納豆菌に不向きな気候」であり、
昔から日常食に採り入れられることがなく、結果、味や風味に馴染んでいないのだとか。


しかしながら、2009年の調査では近畿・中四国エリアで納豆を週1回以上食べる人の割合は
約6割という結果が出ているとなると、思った以上に納豆の全国区化が進んでいるのかも。



ミツカンとして発酵技術を活かせることから納豆分野に参入したのは1997年だそうですから、
決して早くは無いわけですが、大手だけに商品開発の結果、さまざまな食味のものが出て、
食べやすくなったのも関係していようかと。
件の独特のにおいを作らない納豆菌で製造した「におわなっとう」なんつうのもあるようですし。



ということで、ガイドに導かれたMIZKAN MUSEUMのひと巡り。
いろいろと楽しい90分余でありましたですよ。