日和佐のうみがめ博物館
から、車で移動すれば程ないという場所に
「恵比須洞」なる景勝地(?)があるというガイドブック情報をたよりに
海岸線を廻り込んで立ち寄ってみたのでありました。
解説板によりますと「日和佐町周辺の海岸は、打ち寄せる太平洋の荒波に浸食されて
いたることろに大小の海食洞がみられる」そうでして、取り分け恵比須洞はこのように。
…なかでも恵比須洞は標高52mの岩山に内部が幅32m、高さ31mの半円状に貫通しており県内では最大のものである。荒波が押し寄せると洞穴の中で轟音を発し出口から噴出する様は実に壮観である。
なまじ荒天であるだけにいささか過大な期待をしてしまいそうですけれど、
まずはこの入口から、小さな岬のようになっている岩山へと向かっていきます。
木立が途切れて岩がむき出しになってきますと、
先に見えてきた道はずいぶんとすごいところを通り抜けているようではありませんか。
雨で足元が湿っているので滑らないように注意せねばと思うも、
なんだか恵比須洞に人が近付くのをお怒りかと思える海のようすでしたなあ。
と、振り返ればそこにぽっかりと恵比須洞がありましたですよ。
波で岩に大きな穴が穿たれてしまうのですなあ。
さりながら、この写真では本来の迫力はちいとも伝わりませんですね。
海面全体が白濁しているところから波の荒さを推し量れるとしても
実際にはもっともとダイナミックなのですから。
かように期待外れの写真をご覧に入れたところで、昼飯どきとなりまして。
やってきたのはJR牟岐線の日和佐駅。右上に見えている駅外の跨線橋を渡ると
道の駅に出るものですから。
先に徳島駅には電車が走っていない(要するにディーゼル、気動車ですね)と申しましたが、
徳島駅から南下する牟岐線に架線が無いのは当然といえば当然でして。
ともあれ「道の駅ひわさ」でもって南阿波丼を食することに。
特に「右上がり丼」と呼ばれる地鶏とあおりいかをのせたひと品です。
何ともユニークなネーミングですけれど、日和佐も含む南阿波のあたりでは
「四国の右下」(地図で見ればなるほどです)を自称しているようでして、
右下であるからには気持ちは右上がりで行こう!てなところから名付けられたなのですよ。
また、ここで使われている地鶏もまた徳島名産ですけれど、
何とまあ「阿波尾鶏(あわおどり)」とは、これまた実に徳島らしい。
よほどの名産でなるのか、この阿波尾鶏、食事のたびごとに何かの形で
食していたような気がしますですよ。
てなぐあいにウミガメと昼飯だけで立ち去ろうとしている日和佐ですけれど、
高台にはお城の天守が見えていていささか気にはなりましたが、先の道が長いということで。
何しろこの後は海岸沿いにひた走り、徳島県から高知県へと入っていくのですから。