さて、浦山ダム 併設の資料館「うららぴあ」を覗いてみることに。
建物の2階が展示コーナーになっており、ダムのことを学習してまいりましたですよ。


浦山ダム資料館「うららぴあ」

「ダムはなぜ必要か?」とのっけからストレートな問いかけです。
ダム建設にはいろいろな意味で要不要の議論があったりもしますけれど、
そこはそれ、ダム併設の展示となれば「そりゃあ、必要ということになりますなあ」ということで。
個別のダム建設のことは別として、治水、利水、流水、そして発電のためのダムの有用性に
触れられているのでありますよ。


まず、山がちな日本の川は急勾配を下って一気に海へと流れ込んでいくのが特徴で、
洪水が起こりやすく、これに対処するのが「治水」でありますね。
日本の川の流れが短く、高低差が激しいとは想像に難くないところながら、
他の国の川との比較を示すとこのようになるようです。



ダムを通さず流れ下っては中下流域に洪水をもたらしてしまうような水を貯水し、
放水量を調整して対応しようというわけですけれど、これがうまく行かなかった例が
この夏の豪雨でありましたですね。場合によっては人災というべきかもではありますが。


次に「利水」という点ですが、簡単にいえば水道水を供給する元になっているのですな。
ちょっと素人考えとは合わないながら展示解説には「日本は降水量の変動が大きく、
水資源に恵まれた国とはいえません」ということなのでして、
水が豊富にあるように思ってしまう素人考えは、ダムに支えられているからということに
なりましょうかね…。


続いては「流水」、水道水の安定供給と同様、川自体への安定した水が必要なのですねえ。
渇水によって瀬切れ(川の水が途絶えてしまう)のようなことが起こると、
川の魚などは行き場を失い、生態系に影響が出てしまうというわけです。


さらには「発電」、個人的にはダムというとこれが目的のような気がしてしまいますが、
必ずしも何のためにダムを造るかという点では必ずしも発電が先に来るわけではないようです。
ちなみに、浦山ダムの水力発電による年間発電量の平均は「約3,600世帯が1年間に使う

電力に相当」(1世帯当たり年間使用電力量を3,600kWhとした場合)するのだそうでありますよ。


とまあ、2階展示コーナーをひと巡りして大人の社会科見学を終えたところで、
1階のさくら湖食堂に移って昼食をとろうと段取りです。
ダムに来たとなれば、やはりダムカレー 、これですな。


浦山ダムカレー

ご飯から手前がダムの堤体(本体部分ですな)でしょうか、

向こうに広がるカレーが秩父さくら湖、たまごは湖に浮かぶ水質管理装置を表しているとか。

またサイドに細長く置かれた福神漬けは「清水バイパス」という導水路を模しているそうな。


このバイパスは、ダムに貯めた濁り水ばかりを放水していては

下流の魚などに影響を与えてしまうとしてダム上流の水をそのまま流す道となってますが、

かようなものまで(一応)再現していたのですなあ。


で、ダムでダムカレーとはもはやダムマニアではない者でも知っているところながら、

こちらはどうでしょう。いささか新機軸では?!と思うところですが。


浦山ダムラーメン

ダムラーメンというひと品。

見た目はダムカレーと同様の路線を目指しているものと想像しますけれど、

全面にわたって水没し、部分部分がもはや浮遊物と化しているような面持ちでもあります。

試みたるや良しではあるものの、ダムを模して水没がイメージされるではちと…。


ではありますが、このラーメン、実にうまい。

こういっては何ですが名物ダムカレーは「普通にうまい」として

ダムラーメンの方はスープに個性があっておいしかったですなあ。

久しぶりに「また食べたい」というものに出会いましたですよ。


てな具合に浦山ダムを多角的に賞味した満足感を得て、

うららぴあを後にするのでありました。