まあ、ヨーロッパに行けばどこの町にも
そこここで記念碑やら銅像やらを見かけますけれど、ブリュッセルもまたしかり。
グラン・プラスのあたりをふらりと歩いて見かけたところをとどめておこうと思います。
最も有名なのはこのジュリアン君でしょうなあ。いわゆる小便小僧です。
これだけ大きければ「うおぉ!」とも思うところながら、
実際は「世界三大がっかり」のひとつとして知られるもの。
それでもスリが横行する環境といわれるほどに観光客は詰め掛けますが。
前回訪ねたときには像の言われにまで気を回しておりませなんだが、
言い伝えとしては、爆弾の導火線に火がつけられて「あわや」というときに
おしっこで火を消し、ブリュッセルの町を救ったのがジュリアン君であったという。
なんだか堤防決壊を防いだダッチボーイの話と近いような気も…。
お次は観光客とはどうも無縁な像ですね。小便小僧から中央駅方向に向かう途中、
サン・ジャン広場に立つのがガブリエル・プティ(Gabrielle Petit)の像です。
何とも凛々しい姿であるなあと思ったところ、このガブリエル・プティなる方は
第一次大戦下にドイツ軍に対抗するレジスタンスとして、また英国に情報を流すスパイとして
活動するも、ドイツ側に捕えられ処刑されてしまったという人なのだそうで。
戦後になって、国葬が営まれたとなるとベルギーの救世主として
あたかもジャンヌ・ダルクのように受け止められたのかもしれませんですね。
続いては中央駅近くのスペイン広場。
ベルギーの歴史にスペインが関わり深いことはこれまで触れてきたとおりですが、
だからといって「何故?」とは思うドン・キホーテとサンチョ・パンサの像でありまして。
ですが、同じスペイン広場にあるもう一つの像の方がさらに「何故?」なのですけどね。
ハンガリーの作曲家バルトークの像があるのですなあ。
しかしまあ、あたかも寒い中であるかのように身を縮め、うつむき加減であるところは
なんとはなしバルトークの音楽を彷彿させるようでもあり、簡略化した衣服の部分の描写や
踏みしめた地面のソリッド感なども含めて、バルトークらしさが出てるんではありますまいか。
さて、最後のひとつはグラン・プラスに戻って、広場に出る手前の建物の壁面にあります。
ジュリアン君ほどではないにせよ、観光客には有名で必ず像に触れていくようでありますよ。
14世紀当時ブラバント公領であったブリュッセルがフランドル伯軍の攻撃を受けた際、
町を守った英雄がこのセルクラースであるそうな。
右腕がぴかぴかになっているのがはっきり見て取れますけれど、
触ると幸運が訪れると伝わるだけに誰もが触っていった結果ということで。
ま、さらっと触ってきましたけどね(笑)。
ということで、本気で調べて回ったらもっともっとたくさんの銅像に遭遇してでしょうけれど、
取り敢えず近辺ひと巡りということで。それなりにバリエーションはありましたですね。