ということで、ブルッヘから鉄道で1時間ほど、ブリュッセルにやってきました。

ですが、先にも触れましたように(10年前ではあるにせよ)一度来たことがありますので、

当初の考えではあまりブリュッセル自体に時間を割くつもりではなかったのでして。


ところが旅の事前調査(?)を進めていきますと、

ちょうど予定滞在期間に重なるようにブリュッセルで一大イベントのあることが判明。

基本的には混雑とか行列とかを極めて厭う方ですので

普通だったら避けようという意識が働くところながら、むしろ大いにそそられてしまったのですなあ。

そのイベントが「Belgian Beer Weekend」なのでありました。


ベルギーには数多のビール醸造所があるわけですが、

そのうちの40ものブランドが一堂に会して大試飲大会となるイベントなのですな。

ブリュッセルに到着し、ホテルに荷物を放り込んですぐさま出かけてみましたが、

世界一美しい広場とも言われるブラッセル旧市街の中心地、グラン・プラスには

テントが立ち並び、溢れかえる人出となっておりましたよ。



ですが、この人混みに入り込んで試飲をするには

まず専用のチップ(瓶ビールの王冠型)を購入せねばなりません。

ワンパック9個で10ユーロですが、知らぬこととはいえ、てっきり9杯も試飲したら

酩酊状態になってしまうかも…と思うも、これは取らぬ狸の皮算用のようなもので。


ビールも種類によって値段の差がありますから、

安いものでチップ2個、高いものでは4個という具合ですので、心配無用ということで。


この試飲用チップに加えて、グラスを借りるためのデポジットチップに3ユーロかかります。

ベルギーのビールの特徴は、それぞれのビール業者がそれぞれに

自前のビールを最大限美味しく飲んでもらえるよう工夫した専用のグラスに注がれる。

つまり、試飲のたびごとに個性的な形のグラスで提供され、飲み終わったら返すのを

繰り返すというわけです。



それだけにデポジットはグラスを土産に持って帰られないようにするためでしょうね。

当然に会場を出るとき、チップを返せば3ユーロが戻ってきるシステムです。



ということでまずはチップの購入なのですけれど、

やはりこれには行列ができていて小一時間並んだでしょうかね。

いくら行列が嫌いでもこればかりは致し方なく…(笑)。


そうそう、中央駅でも見たようにテロへの警戒怠りない状況のブリュッセルですから、

こうしたイベントなどは考えてみれば恰好のターゲットにされかねない。

当然にして、大きな体躯に自動小銃を提げた兵士たちがそこここを固めているのでして、

また入場者もバックパックのようなちと大きめ荷物は預けないと会場内には立ち入れないという。

で、手荷物預かり所にも、もうひと行列という具合でありましたよ。


てなことであれこれの関門?をくぐり抜け、到達した会場内でのお試しビールは

いやあどれもこれも個性的で、キリンとアサヒとサッポロの違い…てなこととは全く違う世界。

次から次へと味わいたくなってくるものですから、翌日にもまた出かけてしまったほどで(笑)。


大袈裟ですが、このためだけにベルギーに行くのはありだなとも思ったり。

ちなみに2018年は9月7~9日だそうです。


おっとそれから、これは帰ってきてから知ったことですけれど、

「ベルギービールウィークエンド」と銘打ったイベントは日本で開催されているのだそうですね。

ですが、どうやらひとつのグラスを使いまわして、飲み歩く形とあっては

本家本元、ベルギーの醸造元はどう思うことでありましょうか。


何でもかんでも真似ることが良しではないかもですが、

グラスへのこだわりも含めてのベルギービールなのでありますから。




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