実際の順序としてはオランジェリー を見た後に宮殿 内にある博物館に入った…とは
先に触れたとおりですが、その内部の広大さ、展示の膨大さに及び腰になるとともに
塔の上に上がればカメラが電池切れともなるし…てなことに。
そこで、フランクフルト空港を宵の口に出発する便にしてはいささか早いかなと思うも、
例によって土産ものの類いは空港で一気に片付けようとの目論みあって、
カールスルーエ・カード
の使いきり期限ぎりぎりにトラムをもうひと利用。
ホテルで荷物をピックアップし、中央駅へと向かったのでありました。
券売機でフランクフルト空港に停車する直近のICE乗車券を買い、
ホームへ行ってみますとすでにICEが停車中。
遅れることは日常茶飯事ながらこんなに早着することあるんだ?…
というのは大きな勘違いでありました。
ホームの表示で、停車中のICEの出発時刻を見てびっくり。
とっくに出発していなければならないICEがすでに1時間近く停まったままのようでして。
空港で土産をというくらいの余裕の算段は
フランクフルト空港まで直通するICEに乗る予定であったからで
停まっているICEはフランクフルト中央駅は通るのの空港駅には寄らないものなのですなあ。
そうこうするうちに向かいのホームに別のICEが入ってきて、
表示によればそちらもやっぱり空港駅には寄らないルートだったものですから、
空港駅経由の列車がいつやってくるか分からない状況では、
早くから停まっている方の列車に乗り込んで 発車を待つが良策であろうと、
よっこら荷物を運び込んで席に着くやほどなくして、
無情にも後からきた隣のホームのICEがするするっと発車していったのでありました…。
「こんなことって、ある…?」
何が原因でDB(ドイツ国鉄)のダイヤがしっちゃかめっちゃかになったのかは
拙いドイツ語では知りようもありませんが、どんだけダイヤが無茶苦茶になってたんですかね…。
とまれ、
次には乗り込んでいたICEが出発するものと待っておりますと、
DB職員がにこやかに(申し訳なさそうな気配がないところが日本と違いますな)
紙パック入りの水を配って歩いておりました。
何度も言ってますが、滞在中は連日の猛暑でしたのでこの日も暑い暑い。
そこでせめて水を配布することになったのやもですが、これがぬるい水でしてねえ。
日本でこれをやったら怒り増幅効果になってしまうんではないですかね。
一方で、駅の係員たちもあたふたしたようすは全く無く、
「こういうときは慌てても仕方ない」とでも言ったようす。
ところ変われば…の印象はこんなところでも感じた次第でありますよ。
しばらくしてまた別のDB職員が今度は憂鬱そうな顔つきで回ってきたですが、
これは果たして遅延による払戻しの書式だったのですなあ。
「60分以上遅延」のところに刻印が押してあって、必要事項を記入の上投函すれば
乗車券代(全部でなくて一部のようです)が払い戻されるという。
ですが、感覚的にもなにもようやっと列車が発車したときには
自分が駅に到着してから1時間半ほど、この列車の本来の出発時刻からは
2時間以上も遅れているのが実状のような気がしますですがねえ…。
とまれ、動き出した列車でフランクフルト中央駅に降り立ち、
地下駅でSバーンを掴まえて何とかフランクフルト空港駅へ到着。
へとへと感にまみれてたどりついたのでありました。
当然にして旅の土産は皆無ということに。
それでもフライトに遅れるという最悪の事態には至らなかったは不幸中の幸い。
と、飛行機の中でお隣は立派な体格のドイツ人男性だったのですけれど、
JALの機内食で出た日本蕎麦をドイツの人というのはすすれないのですなあ。
確かに文化の違いで、音を立ててものをすするなんつうのは
お行儀悪しと眉をひそめられてしまうのがドイツのみならず欧米諸国かもしれませんですが、
それはお行儀が悪いからそういうことは「(できるけど)しない」のではなくして、
どうやら「できない」ようでありましたよ。
もしかすると蕎麦をすするという動きは、さか上がりみたいなもので
練習して練習して一度できるようになったらできなかった時がうそのよう…てなことなのかも。
話向きとしては藪から棒の蕎麦のことですが、
DBのダイヤが大混乱しているときのことと併せて、
いろいろなところであれこれ異なる彼我の違いを思うのでありましたよ。
これにて南西ドイツ紀行、全巻の読み終わりにございます。