商業の町、金融の町であるフランクフルトと大聖堂とは、
あんまりすうっと入ってくる組み合わせではないように思いますけれど、
これまでに見てきたところからすれば、歴史の町フランクフルトでもあるわけで、
俄然「そこの大聖堂はどんな?」となってこようかと。


レーマー広場からフランクフルト大聖堂を望む


ということで、カイザーザール への入口のある路地からはこんなふうに見える
フランクフルト大聖堂へと足を向けたのでありますよ。


ご覧のとおりにすぐ向こう側なんですが、あたり一帯で「ドームレーマープロジェクト」なる
再開発事業(といっても木組み家屋の復元だったりするようですが)が進行中で、
実に行き来しにくい今日この頃であるようです。


フランクフルト大聖堂を見上げる


と、これは大聖堂の塔を真下から見上げたところ。なかなか立派ですね。
が、上の写真ではいい天気だったのに、一天にわかにかき曇り?…ということではなくして、

こちらの曇った方は朝早めの時間にゲーテハウスへの行きしな、散歩がてらに撮ったもの。


特段ことわりもしなかったですが、レーマー広場のあちらこちらを写した写真も朝まだき。

もしかすると、フランクフルトで繁華な場所のひとつと言っておきながら、

「人かげ、まばらじゃん?」と思われた方がおいでかもですが、実はそういうことでして。


とまあ、そんなエクスキューズはともかくも、

神聖ローマ皇帝となるための戴冠式が行われたのがこの教会でありまして、
それがために「カイザードーム」とも呼ばれるところながら、

正式名称は「Dompfarrei St. Bartholomäus」、聖バルトロメウス大聖堂とのことでありますよ。


フランクフルト大聖堂の堂内


でもって堂内をひと周りする中で、

やっぱり目を向けるのはこのところ頓に気になりだした彫り物の関係。

これは相当有名な部類のようですが、「Maria-Schlaf-Altar(マリアの眠りの祭壇)」です。


Maria-Schlaf-Altar@フランクフルト大聖堂


死の床につく(おそらく)マリアを取り巻く使徒たちがそれぞれに湛える嘆きの表情は

決して激越なものではなく、極めて静かに。それだけに深さを思うところでもあろうかと。


Magdalenenkapelleの聖墓


こちらは「マグダレーナ・チャペルの聖墓」と呼ばれるもの。今度はイエスの遺骸ですね。

マリアよりも質素なのは石造りだからでもありましょうけれど、

一方で前面には十字軍の守りでありましょうか、兵士が彫り出されているという。

そして、他にもこのような。




いずれも「うむ!」と見入ってしまうものでありましたですよ。

こうなってきますと、併設のドーム博物館も楽しみになってくるところ。

例によって例のボタン でここも入場無料になりますので、当然に立ち寄るわけですね。


ですが、キンキラしたものがあれこれあるなあというばかりで、

ついと立ち去ってしまったのでは、後から考えればどうやら「これは失敗!」だったようで。

よくよく見れば、7世紀頃といいますからフランク王国でも最初のメロヴィング朝の時代、

その頃の遺物が展示されていたのだそうな…と、後から知ったようなわけでして。


このあたりのことも、フランクフルトという町を歴史的な観点から舐めきっていて、

下調べもおざなりであったが故の報い(とは大袈裟ですが)でもあったろうかと。


今頃になって残念なことをした…と

思い返すことになったフランクフルト大聖堂詣でなのでありました。


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