…とランチ も済ませて、ワイナリーを訪ねます。


食事をしたレストランのあるシャンモリ・ワイナリーでも

工場見学なんかができるようになっているものの、

日川 を隔てて、川のこっちと向こうの関係にあるシャトー・メルシャンで

ワイナリーツアーに予約してあったものですから。


シャートー・メルシャン


それにしてもメルシャン・ワインとはあまりに大手であって、勝沼地元らしくあらんと思い、
むしろシャンモリ・ワインの盛田甲州ワイナリーみたいな余りその名を聞くことの無いところへこそ

寄ろうかと最初は考えたのですね。


ところがところが、日本で初めて設立された民間のワイン会社である「大日本山梨葡萄酒会社」、
その伝統を今に受け継いでいるのがどうやらメルシャン株式会社で、
勝沼のシャトー・メルシャンこそオリジンたる場所にあるものと知るや、
ついついその歴史的なところに惹かれて予約してしまった…と、こういう次第。


ところで、シャトー・メルシャンのワイナリーツアーには

  • ベーシックコース 所要時間約60分 参加費500円
  • スペシャルコース 所要時間約90分 参加費1,000円
  • エクスクルーシヴコース 所要時間約90分 参加費2,000円

という3つのコースがありまして、

それぞれの違いは主にテイスティングできるワインの種類や数ということになろうかと。


さしてワインに詳しくもないだけにベーシックコースで十分とは思うも、

コースごとにスタート時間が異なっていて、
たまたま都合に合致したのが真ん中のスペシャルコースでしたので、これに参加することに。


まずは地下のセラーに案内されて「ここには2,000樽のワインが眠っています」との説明から、
ひとしきり「ワイン樽」の話へ。


樽材にフレンチオークが使われているものを輸入しているそうなんですが、
ひと樽には225リットル、すなわち一般的な0.75ℓのワインボトルにして300本分、
それが2,000樽ということは60万本分が貯蔵されているわけですな。


そして、樽上部の平面部分に記載された記号からはその樽の中の「焼入れ状態」が分かるそうで、
焼入れ度合いの高いものから低いものまで5種類くらいあり、
メルシャン・ワイナリーではちょうど中間くらいの焼入れ度合いのものをしようしていると。


この辺りもワインの風味に関わることなれば、
それこそ出来上がるワインは原料ブドウの出来不出来ばかりか、

実にいろいろと複合的な要素が絡み、個性的なワインが生み出されていくということなのでしょう。


続いては建物の2階に上がり、
セミナールームのような一室でメルシャンのワイン作りに関する映像を見ることに。
つまり、ここでは工場そのものでの製造工程を見て歩くといったことは無しでありました。


シャトー・メルシャンでテイスティング


で、ようやく待ちに待った?テイスティングのお時間。
駆けつけ一杯的なスパークリングひとつに加えて、
5種類のワインをとっかえひっかえ見比べ、香り比べ、味比べ。


軽く甘みをやどした白から重厚な赤までのバリエーションですけれど、
ひとつひとつに対して、ぶどうの品種、産地や醸造法の説明がなされ、
色味や滑らかさ、香り立つフレーバー、そして味わいの違いがコメントされる一方で、
「それぞれに印象を書きとめてみましょう」とメモが用意されているという。


テイスティングの印象をメモして…


世のワイン好きの方々ならばこうしたプロセスをも楽しむところであろうと思うものの、
個人的にはせいぜい「ごっくん、ああうまい!」てなものですから、
言われてみればなるほど皆ずいぶんと個性が違うものだとは思う程度であろうかと。


最後になって、そのときの参加者6名に対し

「いちばんお好みのワインは?」という問いかけがあったですが、
面白いことに見事にばらばらに好みは分かれておりましてですねえ。
当然といえば当然ですが、何もワインだからと構えるでなく「これでいいのだ」と思いましたですよ。


…てなことを思っているうちに、

次はちと離れた場所にある畑のようすと資料館を見学ということで
「移動をお願いします」ということになったですが、

目の前には上の写真のとおり5種類のワインが残っている。


さすがに表立ってきょろきょろし始める人とていなかったですが、

おそらく心中は誰もが同じではなかったかと。
「まだ残っているのに、移動…」。


考えてみれば、このコーナーはあくまで「テイスティング」であって「試飲」ではない。
つまり飲んじゃうことを当然にしていなかったのですなあ。


かつて石和のモンデ酒造やらマルスワイン

はやたまここ勝沼でも「ぶどうの丘」などなどでやったのが「試飲」で、
しかもそのときはいずれも「試す」よりも「飲む」をメインにしていたような。
それとこれとは全く違うイベントだということになりますね。


とまあ、かなり後ろ髪を引かれながらも移動した先での
資料館やら畑やらのお話は、また続きでということに。
移動となった段階で臆せずぐび、ぐびっと飲んでしまえばよかったですなあ…(笑)。