てなことで、館林にあって正田醤油は一大企業であるわけですけれど、

分家的に誕生し、本家を大きく上回る躍進を遂げたのが日清製粉でありました。


実のところ、館林駅西口に出ると日清製粉の工場がどかんと鎮座しているという。

でもって正田記念館 のあとには、この工場の一角にある「製粉ミュージアム」を訪ねた…

とまあ、そういう次第でありますよ。

製粉ミュージアム

できてからまだ間もないのですかね、

新しいなあと思ったですが、どうやら2013年のグッドデザイン賞を受賞されているようす。


この、いわば新館の中では小麦や小麦粉、そしてその製造過程などのお話が

子どもたちにも分かりやすいように、あちらこちらにボタンを押したりするような仕組みで

展開しておりまして、別棟の本館は企業史のコーナーとなっておりました。


で、新館の内部ですけれど、まあこういうところはそれこそ子どもに返って、

素直にあれこれ驚いたり、面白がったりするのが楽しむ秘訣でありますね。

早速にあちこちのボタンを押したりするわけです。


そうしたことで分かったのは、群馬県は国産小麦の生産量で第4位ということ。

(1位はダントツ北海道で、続いて福岡県、佐賀県と続く…)

ですから、製粉事業がここから起こるというのも理に適った話なのでありますな。


ちなみにワールドワイドに見てみると、中国が1位で、インド、アメリカと続き、日本は6位。

ですが、国内産は日本人の消費量のうち12%弱しかカバーできず、輸入に頼ることに。

その輸入元はといえば、50%超を米国産が占め、残りはほぼカナダ、オーストラリアてなそうで。


生産量世界一の中国からの輸入が全くないというのは、

「もしかして食の安全のためか…」と思ったりもしてしまいますですが、

それにしても米国産というのも、以前見たモンサントを扱ったドキュメンタリー映画を思い出すと、

「どうよ…」という気にもなってきますが…。


原産地はというと、どうやらメソポタミア文明を育んだチグリス・ユーフラテス川流域のようでして、

これが世界じゅうに広がる過程で種類のいろいろになっていた様子。

展示では、以下の4種類に区分けがしてありました。

・硬質小麦:パン、ラーメン、ギョーザ
・中間質小麦:うどん、お好み焼き
・軟質小麦:天ぷら、ケーキ、クッキー
・デュラム小麦:スパゲッティ、マカロニ

こうして小麦から出来上がる食品を見てみますと、

年がら年中、食しておるなという気がしてきますですね。

日本人全体での年間消費量は540万トン(東京ドーム10杯分)となるのだそうですよ。

先程触れた国内都道府県別生産量で第1位の北海道でも50万トンだそうですから、

やっぱりぜんぜん足りてませんですね。


一人当たりにすると年間約32キログラムということですけれど、

例えばギョーザ消費量を競い合う浜松や宇都宮、そしてうどん県といわれる香川、

こうしたところはさぞかし平均よりも消費量が多そうではありませんか。


製造過程の方で面白いなと思いましたのは、このシフターという機械。

床に直置きされておらず、あたかも生えてる脚で立ってるようにも見えますが、

巨大なふるいと考えたらよいようで。


小麦粉製造用のシフター

とにもかくにも細かく粒ぞろいの小麦粉とするために、

この巨大な箱がぶるぶるぶるぶる、高速振動するのでありますよ。


ところで、膨大な消費量を賄うには粒ぞろいというだけではだめでして、

何せ元が農産物、ワインを考えても分かりますように

年によって、地域によって出来不出来があったりするからでしょうか、

均一な品質を保つためには産地の違う小麦をうまくブレンドして使うのだそうですね。

小麦粉までブレンドされてるとは思いもよりませんでした…。


と、製粉ミュージアム本館の話がこれからというところで、

すでに長くなりつつありますので、ここはひとつ「本館に続く」ということで。