ここらでひとつ、熊本ばなしのひとつも始めておこうかと思うのでありまして。
帰着の折にも書き記しましたとおり、
2泊3日して阿蘇にも天草にも行かず、ほぼ熊本市内ばかりを巡っていた…という
熊本観光パターンは珍しいと言えるのやもしれませんですね。
昼飯に立ち寄った店で、どうやら北関東の某所かららしいですが、
到着して早々のカップルが「熊本の見所はどこですかねえ…」と尋ねたところ、
店の人たちが顔を見合わせて、「熊本城…くらいですかねえ…」と答えていたのですね。
傍で小耳に挟んでしまった者としては、それを熊本に来てから聞いちゃうとは
「ああたたち、そもそも何で熊本に来ようと思ったわけ??」と突っ込みそうになりましたですが、
それはともかく、巡ってみれば「こんなものもある、あんなものもある」と興味は尽きない。
もっとも、その興味を抱く部分がひとによって大きく異なるところではありましょうけれど。
では、かくいう自分は何故、熊本に?
そも友人と語らって、「見たいものは見ねば!」と思ったものは何か…
これはもったいぶって後回しにするとして(実際、最後に訪ねたものですから)、
政令指定都市、人口70万人余の熊本市内のあんなとこ、こんなとこのお話、
「熊本城下紀行」として語り起こすのは、熊本に到着したところからであります。
空港に到着して、リムジンバスで市内へ。
まあ、普通の行動パターンでありますけれど、
飛行機から降りて10分後にはリムジンバスに乗っているというのも、地方空港ならではでしょうか。
差し当たり目指すのは熊本交通センターというバスターミナルですが、
その辺りが熊本市でいちばん賑やかなところ。
熊本城にも近く、町の中心なわけですが、ちと特徴的だなと思いますのが、
JR熊本駅からずいぶんと離れているのでありますよ。
居酒屋のおねいさんに尋ねたら、歩くと30分はかかると。
あたかも、ヨーロッパの駅と旧市街の関係みたいですなあ。
とまれ、交通センターに到着したわけですが、
ここでひとつ、熊本らしい(と、余所から来たものが思う?)ものを発見。
「おてもやん」の銅像でありますよ。
別に無理に教え込まれたわけでもないのに、
歌詞をある程度思い浮かべることのできる(はっきり言うと歌える)方は結構いるのではないかと。
これでもって、「おお、熊本弁とはこんな感じか」と思ったりしますけれど、
それらしい言葉が周りから聞こえてくるというのは、旅してる気になってきますですねえ。
もひとつ、民謡というのか、童謡というのか、
これまたお馴染みのものに「あんたがたどこさ」がありますね。
(これもどこぞかに銅像があったらしいですが、わざわざは行きませんでした)
あんたがた、どこさ
肥後さ
肥後、どこさ
熊本さ
熊本、どこさ
船場さ
…というあれですが、熊本の「せんば」は「船場」と書くらしい。
そして、歌詞は確か「せんば山にはたぬきがおってさ、それを猟師が鉄砲で撃ってさ」と
続いていたように記憶しているのですが、本当の歌詞はどうやら違うのだとか。
「せんば川にはえびがおってさ、それを漁師が…」となるのだそうな。
確かに「せんば」は「船場」ですから、水産物の方が馴染むと言えば馴染むわけですね。
と、いきなり脱線気味ですが、
交通センターに到着し、荷物をホテルに預けた後は、
とるものもとりあえず(地元の人も「ここしかなかろう」と言っていた)熊本城を目指したのでありました。