台風というのも気まぐれというか、それぞれというのか。

先に関東沿岸を通り抜けたのは、近いはずなのにさほどの影響もなく、

昨日のは日本海を北上中と、遠いと思えば強風が吹き荒れ、断続的に音を立てて雨が降る…。

まあ、自然現象ですから、人から見れば気まぐれにも映りますかね。

(もっとも、自然現象ではないというご意見もあるようですが…)


とまれ、そんな雨風の日曜日でありましたから、

どこぞへ出向くという気も起こらないまま家にいたわけですが、

このタイミングでやっておかねばと思った「夏旅プランニング・ホテル手配編」であります。


まだ予約してないの?と思われる向きもおありかと思いますが、

(といってさすがにもう済ませておかねばですが)

2週間前のフライト予約で決まった発着日と発着空港、

その間をその空港からいかように巡ってくるかというルーティングに悩みに悩んでおりまして。

(と、これもまた「悩ましくも楽しいひととき 」なんですが…)


で、そのルート作りに絡んで、インターネットであれこれ検索しても分かりにくいところがあり、

こりゃあひとつ当該国の観光局でご教示いただくとするかと出かけたときのお話。

(もちろん昨日ではないですよ、平日しか開いてませんし)


いい加減にどこの国と行ってしまった方が話は早いとは思うんですが、

あんまりピンポイントで「○○国の観光局って、どうよ?」とは言いにくいですし、

おそらくは他も最近は似たりよったりなんだろうなぁとも思うものですから。


かつては外国の政府観光局を訪ねますと、何とはなし日本とは違うオフィスの設えがあって、

カウンターにはにこっとした職員の方が出迎えてくれ、あれこれ旅のアドバイスをもらえる…

というところだったんですが、今や様変わり。


扉を開けて入ったところは無人のスペースで、

その国、その国にある都市のパンフレットやらマップやらがいろいろと置いてあり、

どうぞご自由にご覧ください、ご自由にお持ち帰りくださいという様子ですね。


多少のことはネット検索で何とかなるご時勢なだけに、

それら入り口に並んだパンフに載っていることにさほど目新しい情報はない。

というより、「これが訊きたい」と思うような細かなことまでは載っていないわけです。


ですから、隅っこの方に置いてある内線電話に歩み寄り、

「ご用のある方はこちらへ」という番号をプッシュする。

壁の向こうでは何の仕事をしているかは知りませんけれど、

そこへ藪から棒に電話を鳴らすわけで、こちらはいささか気おくれするし、

先方として「ウェルカム!」の雰囲気ではないなぁと。


ともあれ、電話に出た職員に知りたいことを伝えますと、

先方は「しばらくお待ちください」と言って、向こうから電話をガチャンと切る。

「こりゃあ、客商売をやったことないね、この人」と思う瞬間でありますね。


尋ねた用向きというのはとある自然公園への行き方だったんですが、

リーフレットらしきものを手にして、壁の向こうから現れた職員の方、

ソフトな口調ではありましたけれど、言っていたのはこういうこと。


このリーフレットはお尋ねの自然公園を紹介したものだが、

もう作っていないので差し上げることはできません。

コピーしようと思いましたが、コピー機が修理中でいつ直るかはわかりません。

もっとも、ここに載っている情報自体が古いようで、内容をインターネットでも確認できません。

自然公園の中心は○○という町らしいので、Googleマップの経路検索で行き方は分かりますが、

とにかく不便なところのようですので、公共交通機関では難しいかもしれません。


ここまで聞いて「もういいかな…」と思ったものの、一応相手は観光のプロだと思ってましたから、

「自然公園は広いですよね。○○という町以外にポイントはないんですか?」と聞きましたら、

「みんながここへ行くと紹介されているようですから、ここが中心なのでしょう」との答え。


要するに「知らないんだね」、「調べる手立ても持ち合わせていないのだね」…となれば、

個人でネットを漂うのと大差はないわけで、他にも訊きたいことはあったのだけれど、

やめときました。お互いに時間の無駄のようですから。


どこの国でも同じ状況とまで言い切れませんけれど、

以前オランダ政観を覗いたときにも無人スペースに並んだ資料と内線電話状態は同じ。

推して知るべしかもしれませんですね。


そも政府観光局とは、

「どうぞ我が国に来てください」とサービス精神たっぷりにPRするのが仕事と思いますが、

どうやらそれは個人旅行レベルの話ではないようですね。

例えば見本市の開催誘致とか、その見本市への企業誘致とか、

あるいは視察旅行だとか研修旅行だとか、そういうのだと腕まくり状態になるのかも。


個人を相手にした場合に、情報を提供するというサービス業の一種といった考え方、姿勢は

およそなさそうだなということ、思った以上に欲しい情報を持っていないのだなということが

改めて分かっただけでも社会勉強になったような。


下手すると「行くの、やめた…」ということにもなりかねない気がしますが、

こんなふうなのでいいのかなと余計な心配をしてしまいますですよ…。