先日、南極・北極科学館に行ったということで、南極 に関するひとくさりを申し述べましたですが、
北極のことをすっとばしてしまったものですから、ちょこっとは触れておこうかと。
南極ではさまざまな観測が行われているということでしたけれど、
これは地球の北半球と南半球を比べてみた場合に、
より人の手垢がついてしまっているのが北半球であって
(地球上の陸地のようすを思い浮かべていただくと想像しやすですが)
取り分け南極大陸は人間による環境負荷が少ない場所、
つまり原初的な(というと大袈裟ですが)地球を探る場所と考えられているようですね。
では、対する北極は?ということになりますが、
こちらは逆に人が地球の環境に及ぼす影響を加味した上で「どうよ?」ということを
探究する場所ということになるようです。
南極には大陸がありますから、
各国の基地(つまりは研究施設ですが)が置かれているというのも分かりやすいものの、
北極は北極海、北氷洋であって、氷に閉ざされる期間があるとはいえ、
頑として動かない陸地ではないわけですね。
研究の基盤をどうしているのか…と思いましたら、
ノルウェーが主権を持つスバールバル諸島(主権は持っているけれど、領土ではないとか)の
スピッツベルゲン島に観測基地が置かれているそうな。
北極海の広さはほぼ南極大陸に相当するとのことですので、
この北極海にあるスピッツベルゲン島に基地を構えているということは
南極大陸に基地を持って観測しているのと似たような意味合いではあるようです。
ちなみに、このスピッツベルゲン島には民間航空機が乗り入れていますから、
観光で行けないこともない…となれば、南極よりも敷居が低いということになりましょうか。
というくらいに、南極に比べて北極は人間の生活圏に近いところにあるせいか、
よく言われる地球温暖化の影響(必ずしもそのせいとは言いきれず、他の要素の可能性も…)で
氷の領域の減少も北極の方が顕著なようです。
1980年代に比べて、夏場の海氷(海水が凍ったもので、氷山とは異なる)の面積が
2012年には半分以下になってしまったとの観測結果が出ているのだそうですよ。
温暖化とも関係する温室効果ガスの影響で生じたとされるオゾン・ホール。
科学館では衛星からの情報を地球を模した画像の上に
オゾンの状況を映し出すという展示がありましたですが、
あたかも巨大な円形脱毛症のような状態になっているのを見るにつけ、
「こりゃ、地球にも相当なストレスがかかってんな」と思ったりもするところです。
これまたちなみにですが、オゾン・ホールを発見したのは日本の南極観測隊なのだそうですね。
お国自慢的に「日本なんだってよ」というつもりはありませんけれど、
何気に莫大な予算を使って展開されている科学技術系のことで「こんな結果が出てますよ」という
フィードバックはもそっとなされた方がいいような気がしますが、
単に個人的に気付いてなかっただけでしょうか…。
ところで、北極で継続的に観測されている対象のひとつに、エアロゾルというものがあるそうな。
いわば「小さなチリのようなもの」で雲のもとになるそうなんですが、これには太陽光を遮る、
つまり温室効果ガスとは逆に地球の気温を下げる作用があると考えられているのだとか。
ですが、エアロゾルの元々はとなると、「石油や石炭の燃えカス」であるとなれば、
にわかに手放しでは喜べないところでもありますね。
そうそう、これもきちんと整理しておかねばですが、
「Polar bear」といわれる白クマはホッキョクグマであって、南極にはいない。
逆にペンギンは南極(その他の地域にも多少)にいるけれど、北極にはいない。
白クマが南極に何故いないのかは分かりませんけれど、
もし北極にペンギンがいたら、ずいぶんと白クマの餌食になっていたことでしょうなぁ。
もしかして、食べつくされてしまった?まさかね…。