薩埵越紀行 と題して由比宿興津宿 を歩き、薩埵峠 も歩き越したとなると、
後は何やら番外編かとも思われるところながら、逆にここまでの歩き旅は
静岡に行こうと思い立った後から付いてきた部分であって、
その意味ではそも薩埵越紀行と銘打ったことが良かったのかどうか…。


まあ、そんなふうに思うところですけれど、取り敢えず先に進むとして
東海道線でもって由比から静岡にたどり着いたのでありますよ。


ここでの主目的たるシャガール展@静岡市美術館をじっくり見るにも
まだ多少の時間的余裕がありそうだと、駅前施設をちょいと覗きに。
出向いた先は、静岡ホビースクエアでありました。

静岡ホビースクエア


静岡は模型の町でもあるようですね。
ガンダムだの、ミニ四駆だのでも有名であるらしく、静岡市としても
「ホビーのまち静岡」を売りにしたい思惑があるらしい。


歴史的にも戦前の木製模型作り以来のものであり、
戦後にはプラモデル製造へと転換したものの、そのプラモデル出荷額は
静岡県がダントツで日本一(シェアは9割超)となれば、なるほどです。


それだけに当然のことながら県内には関連の事業所が多々あるわけで、
そうしたところで作られるあれこれを展示してたりするのが、
この静岡ホビースクエアなのですね。


先ほど引き合いに出したガンダムやミニ四駆は大々ヒット商品なのでしょうけれど、
個人的にはその時代にプラモデル作りはやっていないものの、
(白状しますと)子どもの時分はずいぶんとお小遣いをプラモデルに費やした方でして、
さらりと展示を見てまわりますと、「おお、知ってる、知ってる」というメーカー名や
「懐かしいなぁ」というパッケージのマークがそこここに。

懐かしの長谷川製作所のマーク


例えばですが、この長谷川製作所のマーク、懐かしいですなぁ。
今では株式会社ハセガワと名称変更しているようですが、
静岡県焼津市であるてなことは一向、意に介してなかったですが、
写真にあるような船モノはずいぶん長谷川製作所のプラモデルを組み立てたものです。


懐かしの田宮模型のマーク


また、こちらもまた懐かしい懐かしい田宮模型の星型マーク。
やはり今では株式会社タミヤとなってますけれど、本社は静岡市内だそうで。


ちと思いは複雑になるも、ナチス・ドイツの兵器の模型なんかを作って、
場面再現のジオラマを作りたかったりしたものですね、子どもの頃は。


言い訳がましくも、そうした幼少期があったとして
好戦的な人間に育つわけではないと思うところでありますが、
さすがに今またこうした類いのものを作りたいとは思わないですけれど。

ジオラマ@静岡ホビースクエア


でも、こんなふうに精巧なジオラマを作ったりしている大人はいるんですよね。
あれこれ考えず、趣味は趣味と割り切っているのかもしれませんけれど…。


ただそうはいっても、今ならもっとうまく組み立てられるかなとも思ったり。
実際に戦争で使用された兵器のスケールモデルではなくって、違うものを。


最初はとにかく組み立てたいばかりでしたから(何せ子どもですから)、
ランナー(部品がくっついている骨みたいな部分)からパーツをとにかくはぎ取って、
切り取った部分がでこぼこしてても何ら気にすることなく一気に組み立ててましたけど、
仕上がりをきれいにするには爪切りででこぼこを失くす方がいいと聞けば、
せっせと爪切りを使ったり…てなことはやりましたですね。


そのうちに塗装もちゃんとやろうと考えて、
専用の塗料を買ったりもしましたが、せいぜいそこどまり。
そうしたことを思い出すにつけ、今だったらもっと上手くできる気がするわけです。


では、何を?ですけれど、いろいろ見て回るうちに「これは!!」というものを発見。
これです、これ!



サンダーバード秘密基地!
これがかなり大きなもので、高くてとても買えるものではなく、
かといって買って貰えるものでもなかったわけで。


今なら大人買いも可能ですから、今井科学で今でも作っているのかなと思ったところ、
やっぱり静岡市の会社であった今井科学(後に株式会社イマイ)は倒産してしまったようで。


ま、冷静になってみれば、大きなプラモデルを組み立てたところで、
家の中には置いておくところもないのですけれどね。
とまれ、しばし子ども心に返って楽しみ、当時を懐かしんだ静岡ホビースクエアでありました。