この3月23日まで開催中の展覧会が終了すると、ニューオータニ美術館は休館…

ということを漏れ聞いたものですから、同館HPを見てみますと、

なるほど休館の告知が掲載されているのですね。


とっても小さな美術館ですけれど、静かに絵と向き合うのにいい雰囲気の空間。
そんな印象でもって何度か出掛けたことがある場所なだけに、
どうしたこと?と思ったわけです。


いまだ開いているうちにもう一度とは思ったですが、
どうも都合がつかなくて移動の途中で10分ほど立ち寄って、
今度はいつ見られるかと思われる所蔵品のポストカードで、
以前買ってなかったものを10枚ほど見つくろって買ってきましたですよ。


カウンターにポストカードを出しながら、
「休館ではしばらく見られないですね」と声をかけますと
係の方はいささかうるうるした眼でもって(と思っただけかも)
「休館ですが、再開の目途は全く立っていないものですから…」と寂しげなひと言。


こういう状況になりますと、その所蔵品というのは単純にお蔵入りになるのか、
はたまた売却されて四散していくのか、どうなんでしょうねえ。


思い返せば、蓼科のマリー・ローランサン美術館の閉館が決まって、
その所蔵品による巡回展がニューオータニ美術館で開催されたときに見に行ったときにも
「ローランサン美術館、閉館らしいですね。展示されている作品はどうなるんでしょう」てなことを
聞いてみたことがありました。答えは「見納めかもしれません」てなこと。


ですが、その数年後にこの美術館が同じような状況になるとは、
聞いた方も聞かれた方も思っていなかったのではないですかね。


ということで、見納めかもしれぬ所蔵品の一端を
ポストカード(いずれも部分です)でもって回顧してみようかと思うところでありますよ。


最も気に入ってたのは先に以前のブログで触れたので、それ以外ということになりますが、
ここはひとつ、とやかくの語りなしでご覧いただくとします。
(マウスオーバーしていただければ、作家名と作品タイトルがご覧いただけます)


ジャン=フランソワ・ミレー「田園に沈む夕陽」


モーリス・ド・ヴラマンク「花束」


モーリス・ド・ヴラマンク「橋のある風景」


ラウル・デュフィ「メナラ宮の内部」


キース・ヴァン・ドンゲン「腰かける婦人」


アンドレ・ボーシャン「ドムレミのジャンヌ・ダルク」


ベルナール・ビュフェ「チューリップのある静物」


ベルナール・ビュフェ「目玉焼きのある生物


マリー・ローランサン「遊ぶ子供たち」


ポール・ギアマン「二つのヴァイオリンのある静物」


どうでしょうか、やはりいずれも本物で見たいところでありますよね。

差し当たり洋物ばかりを取り上げた恰好ですけれど、
日本画でも数多のコレクションがあったように思われます。

本当にこれらの今後はどうなるのか、行方が気になろうというものです。

しばらく前に閉館した青山ユニマット美術館の作品、
リニューアルオープンにあたって手放されてしまったらしい村内美術館 の作品、
どうなってしまったですかねえ…。


そも営利企業が美術館を運営するというのも大変なんだろうなと想像しますが、
今回の話も年度途中で急に決まったりしたことなのかも。

「最後の展覧会が野見山暁治展では…」と言っては作者に失礼ながら、
最後なればコレクションの全貌を見せてくれるものがあってもよかったろうに、
そうしたことも叶わず、取り敢えず年度末で閉めざるを得なくなったてなところでしょうか。


「さらば」と言っては性急に過ぎるのかもですが、
作品たちには「またの出会いを楽しみにしておるよ」と
本物代わりにポストカードに向けて伝えておこうかと思ったのでありました。