ここのところ毎年のように見ているものですから、
「ああ、今年もその時期か…」とコニカミノルタプラザ @新宿を覗いてきました。
やっているのは「エコ&アート アワード2014 作品展」であります。
「アートでエコを考える」てなコンセプトのもとに、
毎年この時期にいろいろと創意に満ちた作品に出くわす展示なのでありまして、
「ふ~ん」とか「ほお~」とか思うことがあるのですよね。
ただ、今年に限って(ということは、見ているこちら側の変化なのか)思うところは、
リサイクルの視点で作られた作品が多いなぁということで、
実はリサイクルの視点をもった作品というのはたぶん毎年多くあるんだと思うんですが、
裏返しに言えば「リサイクルすること自体に、エネルギーが必要なんだよなぁ」と。
てなことを思って見て回っておりますと、まさにそうした目の付けどころを同じくする作品、
つまり再加工しても一度使うんでなくして、そのまんま何度も使うという作品に
出くわしたりしたものですから、何とも不思議な気がしたものでありますよ。
そうしたもののひとつにですが、「BOX to FILE」という作品がありました。
今さらながらと言っては何ですが、温故知新的発想?と言いましょうか、
モノを梱包する段ボール(といっても、A4判大くらいで厚みはかなりあるもの)が
使用後はきちんと折りたためるようになっていて、
ファイルのように書棚に縦置きしておけるというもの。
まあ、段ボール箱というのは、また使うかもと思ってつい取っておいたりもしますが、
そのままではかさばるし、折りたたんだときにはただ平たくなるだけでやたら面積がおおきくなり、
なかなかに始末に困ってしまうところがありますけれど、コンパクトに折りたためるなら
取っておきやすいですな。
ですが、取っておくだけでは何の意味もないわけで、
その使いまわしを誰もが(とは、大袈裟なので多くの人がと言いましょうか)
気兼ねなく使い、違和感なく受け取るというふうにならねばいけんのが課題といえば課題。
ただ、よおく考えてみますと、ここの作品は即商品化してブレイクさせてというものでなくって、
ここでの展示を通じて気がつくというか、そうだよなの意識が少しでも広がればというところに
意図がありましょうから、そういうつもりで見るべきなんでしょうけれど。
一方で、お隣の展示室では
「Water Balloon Room」というインスタレーションを同時開催中でありました。
これは蛍光灯ガラスのリサイクル(これは明らかに再加工エネルギーが必要ですが)を使った
灯りのインスタレーションですが、蛍光灯リサイクルガラスについて回る気泡をむしろ特徴と
しているのですね。
リサイクルされたガラスといえども、
ガラスに気泡がたくさんあっては使い物にならんでしょ!というのを逆手にとった作品で、
この不規則に封じ込められた気泡が醸すところはあたかも水槽にエアーポンプで
ぶくぶく言わせているのを見る心穏やかさというか何というか。
考えてみれば、リサイクルガラスに気泡があってはダメ、
リサイクル紙は純白でなくてはダメ、みたいなのは本当に使い手がそう思っているのかどうか。
昔は平気でザラ紙を使ってたりしましたよね。
もっとも技術的に純白の紙の方が今ではコスト安だったりするのかもしれない…あたり、
難しいところでもありましょうけれど。
突き詰めて言うとどれだけ「消費」を少なくするかが勝負どころながら、
人が生きていくには必ず「消費」を伴うもので
(それは生物として生きるという点に、経済活動においてもというのが加わりますが)
どのあたりで折り合いをつけるか、これが勘所なんでしょう。
とかくリサイクルさえすれば(どれだけ消費するのも拘らない)と考えてしまいがちとすれば、
あたかも魔女の呪文にも似た「エコエコリサイクル」に取りつかれてしまっているわけで、
そうでない部分にも目を向けることを忘れてはいけんな…と思うのでありました。