とまあ、かようにして由比宿交流館 を覗いた後は

東海道広重美術館を堪能し…となるところですが、
朝の出立が早めだったのとさっそくに歩き回っているのとで、腹の虫が立ち騒ぐ状況に。


いささか早いながらも昼飯にするかと思い立ったときに、
今回ほど何を食べようと言う点で迷うことのないケースも

珍しいのではなかろうかと思いますですね。


蒲原の桜えび店


蒲原駅から歩き始めたと言いましたけれど、いまだ蒲原を抜けないうちからかような店があり、
由比宿に入れば入ったで「日本一桜えびのまち由比」との幟旗がそこここに。


「日本一桜えびのまち由比」幟旗

そして、これは最終的に由比宿を通り抜けて駅に到着したところですが、駅前からしてこれ。
ここまで歩いて来た道筋は、果たして「桜えび通り」であったかと。


由比桜えび通り


さらに、路上に目を落とせば、こんなところにまで桜えびが。
(富士山もおまけ的に…)


路上の桜えび@由比


こうまでの状況からすれば、昼飯に桜えびを食することに迷いがないのも必定。
入ったお店では「駿河定食」と名付けられた桜えび尽くしの定食に決定したのでありました。


由比の駿河定食


一見して左上が桜えびのかき揚げであるとはご想像のつくところでしょうけれど、
桜えび尽くしというからには、それで終わるはずもない。
写真では分かりにくいですが、ごはんがそもそも桜えびの炊き込みごはん、
おすましにも桜えび、小鉢も桜えびなのですなぁ。


これに加えて、奥に見えるお造り二点盛りと右上にはでぇんと名産のポンカン(たぶん)。
駿河定食の、その名の由縁はもはや明らかというべきでありましょうか。


それにしても、この桜えびのから揚げのさくさく感はたまらんですねぇ。
だからといって、材料出し惜しみ的にすかすかしておらず、たっぷり感満載。


街道筋から離れたところに長蛇の列ができるという名物食堂があったようで、
何事も並んでまで何も…という性質ですので行きませんでしたが、
そちらで食すのはさらにさらに美味いということになるんでしょうか。
とまれ、十二分に満足しましたですよ。


ところで、この桜えびですけれど、由比港漁協HPにはこんな記載がありました。

桜えびは駿河湾のほかに、東京湾・相模灘にも生息していますが、 漁業の営業許可を静岡県だけが認めているので、国内の水揚げは【100%】駿河湾となります。ちなみに桜えび漁の許可証をもつ船は、由比・蒲原・大井川地区の合計で 120隻しかありません。 実はとっても貴重なのです!

でもって、貴重さの一因でしょうけれど、桜えびは1年しか生きられないのだそうです。
産卵は5~10月の間で、その最盛期を迎える6~8月の間は漁はせず、

つまり採り尽くしてしまわない努力でありますね。


一方で、桜えびの方はといえば、夏に産卵された卵がやがて孵化し、

冬の間をかけて成長していって今度は自らが産卵期を迎えるという1年サイクル。


こういうことを聞いてしまうと食べにくくなるところですが、

由比宿交流館にはこんな紹介がありました。

春漁で採られる桜えびは、産卵前で身はやや硬いですが、脂がのっているといわれ、秋漁で採られる桜えびは、まだ若いのでやや小ぶりで、身もやわらかいと言われています。

食べつくさないから、やっぱり春漁のも秋漁のも食べさせて!

というのが、本音ということになってしまいましょうか…。

ごちそうさまでした。