…ということで、静岡から戻ってまいりました。

今回の契機は先にも申し上げましたようにシャガール展@静岡市美術館でありまして、

関連イベントとして開催される講演会に申し込んでみたら「当選!」と返信があったものですから、

もはやこの時をおいてはないてなことになったわけです。


で、どうせ行くなら駿府の史跡やらを巡ってと考え始めたわけですが、

静岡方向に向かうとなれば、以前から立ち寄りたいところがあったと思い出し、

急遽その目的地を含んだプランに変更することに。

それが何を隠そう、薩埵峠(さったとうげ)でありました。


歌川広重「東海道五十三次内 由比」(部分)


広重描くところの「東海道五十三次内」の由比に出てくる薩埵峠は、

昔も今も富士を望む絶景ポイントとして夙に有名でありますね。


先日の「伊豆富士見紀行 」でもっていろんなところから富士のお山を見てきたですが、

今度はまた別のアングルからということになるわけです。


が、いかな絶景ポイントとはいえ、いつもいつも富士山が見えるわけではないですね。

当然に天候に左右されてしまうという。


以前(のブログの「駿豆紀行」として書きましたけれど)三保の松原を歩きに行った際、

ここもまた駿河湾越しの富士を望む絶好の場所でありながら、

雲に阻まれて末端の裾野さえも見えない…という憂き目に遭っているものですから、

今回はお天気を睨みつつ、適宜スケジュールを変更できるよう

予めバリエーションを考えておいたのですね。


基本線としては、由比宿を訪ね、薩埵峠を歩き越し、興津宿に至る。

五十三次ではその後江尻宿(清水)を経て府中宿(駿府)へと続くのですが、

ここらはちと端折りまして、最後は静岡市美術館のシャガール展で締めるという形。


ですがふたを開けてみたらば、空を見上げて東海道を右往左往。

その顛末はこれから綴ってまいりますが、

かようにして薩埵越紀行の旅は始まったのでありますよ。