コペンハーゲンの中央駅もまた、他の大都市と同様に駅前は多くの人で賑わっているようす。
ですが、ここでの賑わいは果たして中央駅の前だからということなのかどうか。


と言いますのも、コペンハーゲンではおそらく

人魚姫の像に次いで有名な観光スポットと思われるチボリ公園が何と!

中央駅の真ん前にあるのでありますよ。

あたかも東京駅の目の前に後楽園ゆうえんちのあるがごとし。
駅を出て大通りの横断歩道を渡れば、そのまま絶叫マシンに直行できるという立地でありました。
(今は「後楽園ゆうえんち」とは言わず、東京ドームシティアトラクションズというようで…)


広さとしては83,000㎡弱。
これまた東京ドームですが、よく言われる「東京ドーム何個分」てなことで言いますと、
東京ドームの建築面積46,755㎡を尺度としているようですので、
チボリ公園は東京ドーム1.7個分となりましょうか。


早い話が、世界的に有名なわりには広さの点ではさほどでもないわけですね。

ですが、そのさほどの広さでもないと思しき場所にぎゅぎゅぎゅっと多様なものを、
おもちゃの缶詰のように詰め込んであるなぁというのが、実際に中を歩いてみての印象です。


チボリ公園ガイドマップ


ところで、乗り物目当てでもないのにわざわざチボリ公園に入り込んだのは、
園内にたくさん配されたレストランのひとつで夕食をということこと、
21時半から始まるイルミネーションを見てみるかと思ったから。
もっとも「コペンハーゲン・カード」で入場無料になったからこそでもありますが。


夕暮れ時が遅いデンマークとはいえ、
イルミネーションの開始が21時半とはずいぶん遅いような気がしますけれど、
週末に開催される花火大会が23時、閉園は24時と「子供は寝なきゃだめでしょ」の時間帯。


まさに子供から大人までそれぞれに楽しめるアトラクションとイベントで満たされているのが、
チボリ公園の魅力なのでありましょう。


パントマイム・シアター@チボリ公園


子供にも楽しめるという点では(言葉のいらない)パントマイム・ショーも
かなりの人を集めていましたけれど、このシアターの建物は何やら中国風のような。


そして目を転ずれば、

こりゃあタージ・マハールあたりを意識したインド・イスラム風?という建物。

園内ステイできるホテルのようでありますね。


NIMB HOTEL@チボリ公園


このように建物自体もあれこれ凝った体をなしているのも、チボリ公園の特徴かと。
ただし、どうも考証が行き届いているとは言い難いところもないではない。


例えばですが、陽もとっぷりと暮れて
もはや携帯電話のおまけカメラ(しかも取説、読んでないし…)では対処しかねる頃に撮った
辛うじて見られる一枚の写真。


夜のチボリ公園


宙返りコースターの軌道が浮かび上がった右手に建つ塔状の建物は
日本人が見れば間違いなく中国風と思うのではと想像しますが、
この建物の1階には「日本料理」の看板が?!


地元の人なのか観光客なのか、欧米系の人たちも中には器用に箸を使い、
一見して「これを日本食とは言わんだろう」という無国籍料理を食していたようですねえ。
辛うじてサーモンの握りが添えられて、「ま、握り寿司は日本食だけど、でもねえ…」と。


店内はかなり賑わっていたようですので、ここを訪れ、ここで食した人たちが
「これが日本の建物で、これが日本の食べ物なのね。これが日本なのね!」と思われたとしたら、
勘違いもいいところではないですかねえ。


外国の教科書(地理ですかね)で日本に触れると、日本人は皆着物を着てるとか、
ともするとちょんまげ、かたな、はらきり…といった情報が載ってると聞くことがありますが、
もしかして今でもあながち冗談ではないのかも知らんと思いましたですよ。


ところで、イルミネーションですけれど、実際はレーザー光線による光のショーでしたので、
個人的な腕と装備では写真に残すことはできませんでしたが、見事見事!
こりゃ一見の価値あり!ですね。


となれば、23時の花火大会にも期待が高まるところでありますが、
とっぷり暮れたコペンハーゲンの夜の寒かったこと。


この上さらに一時間を夏服で待つことが至難であったため、ホテルに引き揚げることに。
やがて外から打ち上げ花火の音だけがかすかに聞こえてくる中、

ベッドの温みに身を任せたのでありました…ZZZZ…。