ユースフル・インフォメーションと言っていいのかどうかですが、
夏場に塩原温泉にでも行こうかと考えたとしたら、

宿に問い合わせをひとつしておいた方がいいかもですね。
「あぶが出ますか?」と。


温泉宿に到着して、渓谷沿いにある自慢の露天風呂の話を聞かされたときには

たと思い出したのでありますよ。


もう20年以上も前の夏休み、塩原温泉郷とはいえ別の宿ですけれど、
渓流を眺められる露天風呂にいそいそと出かけたところ、

「あぶに刺されたぁ!」と逃げ帰っていった人たちのことを。


いやあな予感がしたものの、相当の年月を経ており、しかも場所も別であることから
行ってみたそうな父親ともども露天風呂へと向かったわけです。


すると、チェックインのときには気付かなかったですが、

フロントのところに「あぶが発生しています。刺されると痛いです」てな貼り紙。


さらに渓谷へと降りて行く階段のところに「あぶ注意」、

露天風呂の入口にまた「あぶ注意」と貼り紙が連発。


差し当たり飛んでなさそうなのを見計らって、ざんぶとつかったものの、

耳元を「ぶ~ん!」と何かが過ぎただけで、
即座に屋内大浴場への移動にかかったのでありました。


…ということで、塩原温泉郷一帯が夏場はあぶに悩まされるのかどうかは分かりませんが、

ひと言確認しておいた方がよろしいかと。
でも、敢えて夏に行くことを考えるより、絶対的に秋に行った方がいいでしょうね。


ところで、温泉宿には近接エリアにある観光施設の

案内やら割引券やらが置いてありますけれど、
そこで見つけたのが千本松牧場の「牛乳一杯無料券」というもの。
これに釣られて帰りがけ、千本松牧場に立ち寄ることにしたのですね。


先に那須の南ヶ丘牧場ではソフトクリームを食べましたので、今度はぐいっと牛乳を一杯。
この牛乳もまた旨かったですねえ。


で、行ってみて「そうだったのか」と思ったのですが、
今年の大河ドラマ「八重の桜」の冒頭に出てくる大きな桜の木は

この千本松牧場で撮影されたのだそうでありますよ。


ただあの桜の大木がここにあるのではなくって、

セットとして作られたコンクリート製だということですが。
この千本松牧場は広さがたっぷりですので、選ばれたんですかねえ。


ちなみに、このあたり一帯、那須野ヶ原と言われるところには牧場が実にたくさんあります。
元々水利のよろしくない土地で原野のまま放っておかれたそうなのですけれど、
明治になって殖産興業の一環か、あちらこちらに開拓・開墾の手が伸びますですね。


そうした中で酪農に目をつけた人がいたのでしょう、
官主導で大規模な酪農業が展開するのですが、

千本松牧場も松方正義が手掛けたものであったとか。


当時一面の赤松林であったことから、

松方が「千本松」と呼んだことが名前として残ったそうであります。
まあ、他の牧場に比べて広いのも、こうした理由からなんですなぁ。


とまれ、こういうことでもって那須塩原市のゆるキャラが「みるひぃ 」ちゃんであったわけですが、
次に行く機会があれば、もそっと歴史的なところにも関わる探訪をしてみるのも

面白いかもですね。


あたりは水利がよろしくないと言いましたけれど、

後に那須疏水が開削されたことで農業も興されます。

千本松牧場のへりをその疏水が豊かに流れているのが垣間見えました。
いわゆる観光とはまたひと味違う探訪ができそうでありますよ。