…ということで (「つづく」が多いもので…)、

JR上越線の渋川駅から伊香保温泉を目指すにあたっては

上毛三山パノラマ街道とも言われる県道15号線の、
長くだらだら上りの坂(スキーの感覚で言うと15度くらいか)を車でのぼって行くはわけですが、
ちらっと「あ、うどん屋!」と気付く頃になると、辺りには軒を連ねてうどん屋が並ぶことになります。


地名としては水沢というところで、天台宗のお寺さん、

五徳山水澤寺(素直に「みずさわでら」と読むらしい)の
門前町のような形でうどん屋が並んでいる、そんなところでしょうか。


で、その水澤寺ですが、通称の「水沢観音」として夙に有名でありまして、
伊香保や榛名山あたりを巡る観光バスも間違いなく立ち寄ってうどんを食し、
ついでに(?)観音様にも参詣するという。


山懐に抱かれたという感じの場所ですので、
広々としたところに大伽藍を構えるようなお寺さんとは印象が異なりますですね。


五徳山水澤寺


そうした場所にありながら、この看板は?!

禅問答か?…と思ったりしませんですかね。


五徳山水澤寺


「広大無辺」…

この場所で…


ところで、この水沢の観音様は、公式HPによりますと

「千三百有余年の昔、推古天皇・持統天皇の勅願による、高麗の高僧恵灌僧正の開基」

という、実に実に由緒のあるお寺さんでありまして、

坂東三十三観音霊場の第十六番札所ともなっているのだとか。


実際にお遍路さんよろしく33カ所を巡って歩かれる方もおいででしょうけれど、

仏像などを保管・展示してある釈迦堂という新しい建物には

坂東三十三観世音菩薩像の全部(当然レプリカでしょう)が祀られていますので、

富士講代わりの富士塚のように、ここで一気に大願成就てなことに。

(個人的にはそのつもりでひと回りしてきました)


しかしながら、もそっとご利益がありそうなのは、こちらですね。


水沢観音六角堂


「六道輪廻」という額の掛った六角堂という建物。

中には大きな独楽のようなものが廻せる仕掛けになっておりまして、

これ左方向に三回転廻すと願いが叶う…らしいのですよ。


公式HPでは「あなたの真心の供養を望」むものと記載がありますが、

たぶん次から次へと順番待ちで廻している人たちは、きっと何かしら願っているのでは。

ちなみに個人的には、廻すのに一所懸命で「空」の気持ちでありましたが…。


という具合に「空」の気持ちで水沢観音の参詣を終えますと、
すでにおなかも「空」でありまして、当然のように水沢うどんを食すのでありますよ。


何でも水沢うどんというのは、日本三大うどんのひとつなのだそうで。
他のふたつ(香川の讃岐うどん、秋田の稲庭うどん)のネームバリューは

全国区のような気がしますが、はて水沢うどんの認知度はどうなんでしょうねえ。

(そも、日本三大うどんという言い方もあまり耳にしない…)


それはともかく先ほども触れましたとおりに、あたりにうどん屋さんは数多並んでいる。
さて、数あるお店の中からどこを選ぶかは悩ましいところながら、
たまたまWebで割引券が入手できたという安直な理由から入ってみたのが、こちらのお店。

創業300年だそうで。


水沢うどん 松島屋


メニューはとにかくうどん。
店によっては温かいうどんは出さず、ざるうどん一本やりのところもあるようですが、
こちらでは温冷いずれもありですので、お好みに応じてとなりましょうか。
とりあえず、がっつり食べようと冷たいうどんの定食をいただきました。


水沢うどん

うどんの他にも盛りだくさんでしたけれど、手前に並んだつけだれ5種が壮観ですな。
基本的にうどんそのもので勝負!であることはそのままに、
いろんな味で食べられるというのもまた一興でありました。


古えの水沢詣での人々も参詣がてら、うどんを食し、

そして伊香保の湯につかっていたのでありしょうかね。
その古来の観光ルートに倣って?、いよいよ伊香保温泉へと歩を進めてまいります。