しばらく遠出をしていないものですから、
温泉にも出かけるかと思い立ったのでありまして。

ですから、ブログの方もちいとばかしお休みということに。


で、行き先はと言いますと、群馬県は伊香保温泉。
しばらく遠出をしていないと言いましたけれど、
この前に出かけたのは3月始めの広島、松山でありました。


どうもこのところ夏目漱石 絡みのあれこれを書いたりしてましたが、
思えば(広島はともあれ)松山は漱石にもゆかりの地でありましたし、
今度の伊香保もまた!というわけなのですね。


ですが、漱石と松山の関係は「坊っちゃん」を思えば明らかながら、
では漱石と伊香保とは?ではないでしょうか。


夏目漱石夫人といえば「漱石の思い出」を語り残した夏目鏡子ということになりますが、
その鏡子夫人との結婚(1896年)の2年前、漱石を伊香保を訪れているのですね。

表向き(?)は結核の療養とされているようですけれど、はて実際は?


あくまで一説によればですけれど、
当時の漱石には大塚楠緒子という恋しい人がいたそうな。


ところが、この楠緒子さんに婿さん候補とされる男が漱石の他にもう一人おり、
それが漱石の友人でもあった小屋保治だったという。


細かな経緯は端折りますが、
漱石が伊香保に出かけたのは前橋に帰省中であった小屋を呼び寄せ、
楠緒子を巡る談判に及ぼうというものであったとかいう話なんですなぁ。


後の事実だけを見れば、

翌1985年に小屋は楠緒子と(先に婿候補と言いましたが婿養子として)結婚し、
さらに翌年の1896年、漱石は鏡子と見合いして結婚をするに至る。


漱石がいつまでも楠緒子への思いを残していたのかどうかは定かではありませんけれど、
いわゆる三角関係のような経験は、後の作品「それから」になって結実する…

てなお話でありますよ。


と、思いも寄らず漱石に関わりのある伊香保温泉ですけれど、

特に漱石ゆかりの址があるでもなく、飽くまで息抜きのつもりで湯につかってまいりますですよ。
それでは、しばしお暇を。