カセットテープの話はまだちょこちょこ登場することになるんですが、

そればかりではなんですので、違う話も交えつつ。


立川へ出たときのことです。

ビック・カメラをふらりとひと回りした後に、

目の前(といっても斜向かいくらいですが)の横断歩道を渡った先にロフトがありまして。


こういっては何ですが、

伊勢丹への抜け道としてロフトの1階を通過させてもらうだけのつもりであったのですよ。
横断歩道を渡っているときまでは。


ところが横断歩道の先、入口脇に掲示された看板を見て「むむむっ!」と思い、

そのままロフト1階に足を止めてしまったという。
その原因となった看板の内容をフライヤーに押し込めたのが、これであります。


「怪獣絵師・開田裕治とウルトラの世界」展@立川ロフト



中央にウルトラマン(初代)、そのまわりを囲むように
ネロンガ、ダダ、ゴモラ、レッドキング、ゼットン、バルタン星人などが配された構図の一枚。
「怪獣絵師・開田裕治とウルトラの世界」というタイトルの企画展示(と物品販売)イベントだったのですね。


ウルトラマン!

見てましたねえ。

先のフライヤーには「ウルトラセブン」もいますし、

そちらに登場する怪獣、異星人も描かれてますが、あえてそれらに言及することなく、

「ウルトラマン」に登場した怪獣ばかりを挙げているのが、何よりウルトラマン贔屓の証拠。


年代的には(と言っても何才頃に見ていたかによって、実際は異なるわけですが)

「ウルトラQ」から「ウルトラマン」をメインにして

「キャプテン・ウルトラ」「ウルトラセブン」を掠めて行く感じで見ていた世代といいましょうかね。

ですから、何はともあれ「ウルトラマン」!なわけです。


開田裕治さんという方は怪獣絵師とあるように、

宣伝用やらその他商品用やらにとにかく怪獣の絵を描く絵描きさんのようです。


しばらく前に三鷹市美術ギャラリーで見た、

茜空を背景に原っぱの土管に腰を降ろして何やらもの思うカネゴンの絵。
これを描いたのも開田さんだったようで、今回の展示でも見ることができました。


こうした怪獣の絵というのは、今の子供たちにはどう映るのか分かりませんけれど、

当時TVで番組を見ていた者にしてみれば、とにもかくにも「懐かしい…」ということになりましょうか。


また、先に触れたカネゴンの絵にもあるように、

茜空、原っぱ、土管…こういった背景がまた何とも「三丁目の夕日」っぽく
当時を思い出させる効果を持ってますですね。


たまたまにもせよ、しばらく古いカセットテープに取り巻かれた日々を過ごして、
カセットテープそのものも、そしてそこに封じ込められた音楽の類も

ずいぶんと古いものがあったりしただけに個人的にはかなり懐古モードに入っていたことも、

感慨深さを一入とした由縁でもありましょう。


それにしても、フライヤーに描かれているとして挙げていった怪獣たちの名前。
これ全部覚えていたのですから、我ながら驚くというか、呆れるというか。


こうした何の役にも立たない昔の情報が無駄に記憶されている分、
もはやピークを過ぎて急降下状態になってきた脳力(?)を

活性化できないということになりましょうか。

もしかすると、「三つ子の魂、百まで」の本意は

こういうところにあるんではないかと思ったりもするのでありますよ。


会場では、還暦くらいの方ですかね(このくらいの年代をおじいさんと言っていいものやら…)、
4~5歳くらいの孫娘と思しき嬢ちゃんを連れているを見かけましたが、
展示を覗きこんで「これはミクラスと言ってな…」みたいなことを話掛けているのですよ。


ミクラスと言うのは「ウルトラセブン」に登場するカプセル怪獣ですけれど、
このお孫さんとのやりとりを見かけて、

「ああ、この人も(先ほど言ったような意味での)三つ子の魂だぁね…」としみじみ。


ですが、果たしてこの会場でカプセル怪獣ミクラスを教えてもらった嬢ちゃんの記憶の中に

ミクラスがどれほど生き続けるものか…てなことを思いつつ、
何かグッズを買っちゃおうかな、いや待てよ、どうせまた置き場に困るだけだという

軽い葛藤をやり過ごして、立川ロフトを後にしたのでありました。