いろいろな家庭、夫婦のあり方があると思うが

自分に限って言えば

結婚って、つまるところ、

毎日まいにち、共にご飯を食べることだったと

今になってつくづく思う

 

夫は早食いで

私がまだ食べていても

自分が食べ終わった食器を

どんどん下げてしまうところがあった

 

私はいつもそれに文句を言っていた

 

「こんなんじゃ落ち着いて食べられない」

「自分まで焦って食べてしまうから消化に悪い」

 

とか、なんとか……

 

 

向かい合ってご飯を食べられる幸せに

まったく気づいていなかった

 

夫は気の良い性格で

どんなメニューでも(手抜きでも)

「旨い」と食べた

 

食べ終わると

「ああ、おいしかった!」

と心から言っていた

 

幸せな性格だねぇ と

私は半ば皮肉交じりに答えていたっけ

 

 

夫が亡くなってしばらくした頃

ある友人が電話をかけてきて

「ひとりでご飯食べないでね」

とやさしく言った

(この話は以前も書いたと思う)

 

私は全くの一人暮らしではなくて

息子とのふたり暮らしではあったけれど

 

夫がいた頃に比べたら

独りご飯率90%以上

 

ひとりで食べちゃならないとしたら

私は飢え死にするけどね……

 

私は心の中でひねくれ者のように考えていた

 

その電話以来

友人とは自然と離れてしまった

 

 

最近、リアル世界で死別体験のある方々に出会う機会があった

 

みんな、家に帰ったら

ひとりでご飯食べているんだろうな と時々思う

 

たまにはzoomでお茶会なんて

してみたらどうだろうか、などと思ったりしている