昔からひとつの不思議な感覚がある。
いま生きているつもりの私は、
ほんとうは
五歳の自分が見ている夢なんじゃないか・・・
私は五歳の頃、麻疹にかかってひと月くらい寝込んだ
記憶は定かではないけれど、幼稚園を長く休んだ
以来、五歳の自分がまだ高熱にうなされていて、
夢を見続けている感じがどこかでしている
……ほんとうにそうだったらいいのに。
それなら夫は死んでいない。
(というより、まだ出会ってもいない)
目覚めた私は、今とは違ったあたらしい人生を生きるんだ。