半年か一年に一回くらい、「どうしてますか」という感じで電話やメールが来る友だちがいる。

 

大学の同級生だった。

いいところのお嬢さまで、服も持ち物も趣味が良くて、

勉強家で、今や上品な奥さま。

 

まあ、そんなことはこの話には関係がないのだけれど。

 

昔から、だれかが落ち込んでいると、全力で慰めるタイプだった。

 

葬儀のあとで友だちだけの小さな会をしたときも、

遠くからかけつけてくれた。

 

以来、ときどき電話がある。

彼女の方には特に話したいことはなく、

問われるままにこちらの様子を話す。

 

そして、昨日も電話があった。

たまたまその時は来客中だったので、

あとで電話するとメールしたのだけれど

夜になってもなぜかこちらから電話ができなかった。

 

想像できたからだ、と思う。

彼女の優しい口ぶりや、心配そうな声や、同情。

 

少し前までは電話で話せたのに、今はそれをしたくない。

 

思えば、付きあう相手をかなり選ぶようになってしまった。

たったひとことが刺さって、もう話したくない、近づきたくない、

と離れてしまう。

 

すこし悲しい気もするけれど。

 

逆に、この場所のように、一度も会ったことがなくても

新たに繋がれた人たちもたくさんできた。

 

配偶者を喪うというには、そういうことかもしれない。

 

夫はこの状況を喜んではいないかもしれないけれど。