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「たまに一善」
私は小さなよくある団地に住んでいます。玄関前に階段があります。そこからなにやら、ある物体を引きずったり持ち上げたりする音です。これは間違いなく誰かが重たい物を降ろしている音だと思いました。
手伝いが要らない場合もありますが(私もよくやる、ベッドとか。引きずるしかない)玄関を飛び出て見てみると、上の階のおじいさんが古くなったガス台を箱に入れて、引きずっていました。なので一緒に持って下まで運びました。
おじいさん、足を骨折したばかりで少しまだ弱いそうなのです。
すると、今度は横断歩道を渡った斜め前にK's電機があるので、そこからカートを持って来て、お店の二階まで運ぶというのです。もう難儀な仕事はないから大丈夫です。ありがとうございました。と言うのです。おじいさんは道を渡りカートを取って来るところでした。
しかし、これを持ちあげてみると、なんと私でも持てたのです。特別には重くない。箱の形がちょっと良かったと思います。なので、箱を持っておじいさんを追いかけました。そしてそのまま、エレベーターでレジ台へ。
おじいさんはすでに新しいガス台をここで買ってあるので、処分してもらうだけです。最近は家に取引に来てもらうだけで、かなりのお金が掛かるそうです。自分で持っていけばタダ。
そんなわけで、左の腰のヘルニアもどきの最中だったのですが、悪化する様なこともなくめでたく小さな一善が出来ました!今さっき、ノックがあり、おじいさんからお礼のぶどうさんです。涙。
実は私の団地の住民の多くは、三宅島噴火で行き場を失った人達がそのまま住んでいるのです。多くが、単身の高齢者なのです。少ない生活費の中からこんな高いぶどうを。。。涙again...
しっかりと味わい、また何度でもいつでも一善と言わず何善でも出来たらといつも思っています。今、ぶどうを目の前にとてもとても幸せな時間過ごしています。おじいさん、ありがとう!次からお礼はなしよ!