2020年4月より僻地診療所から大学病院で働くことになり、めちゃくちゃ忙しくなり、ブログ書いてる暇もなくお休みしてました。
今外勤先から帰る電車の中で時間があったのでかいてます。
本日Yahooニュースでみたのですが、東京女子医大で100人を超える医師が退職するみたいですね。以下内容です。一部抜粋して載せてます。
東京女子医科大学の3つの付属病院で、100人を超える医師が3月までに一斉退職したことが、独自取材でわかった。辞めた分の補充が間に合わず、各病院は大幅に医師が減少した状態で、4月からの新年度を迎えているという。新型コロナ第4波を迎える中、東京の医療体制にも影響を及ぼしかねない。
中略
東京・新宿区に位置する東京女子医科大学病院。「本院」と呼ばれ、国内最大規模の1193床、医師数は831人と公表されている。この本院に勤務していた内科の医師、約170人のうち50人以上が、今年3月末までに退職した。
内科の3割以上が去ったことで、残された医師は当直業務が一気に増えたという。当直後、そのまま翌朝からの診療を担当するので体力的な負担は大きい。これが長期化すると、通常診療にも影響がでてくる可能性が懸念される。このほか、外科の医師も10人以上が辞めている。
東京・荒川区にある、東京女子医大の東医療センターは450床。医師数258 人の2割にあたる、約50人の医師が退職した。
これだけの退職者が出た一番の理由というのが、「外勤」をやめなければ給与を下げる、という方針を今年2月に東京女子医大側が打ち出し、不意打ちを食らった医師たちの間に、衝撃が広がった、選択を迫られた結果、100人を超える医師が退職を決断したようです。
と大学病院から70kmも離れた外勤先での外来から、大学病院に帰ってきている途中の電車の中で、大学病院で勤務する僕が思うところを書いているというなんとも皮肉な状況ではありますが。
大学病院で勤務する医師のQOLははっきり言って最低です。
土日は必ずどちらか当直だし、時間外労働も尋常じゃないし、難しい患者が多くて責任も大きいし、それでいて正規の給料はびっくりするくらい低いし。
僻地診療所勤務の時の方が、休みはちゃんと取れたし、時間外はずっと少なかったし、それでいて給料は今よりずっと良かったし。
と言いたくなるのですが…
じゃあ僻地診療所でずっと働いてた方がよかったじゃん!?
と言われると、またこれも違ってて笑
説明するのは難しいんですが、やはりそういう厳しい環境に身をおいたからこそ得られる技術や経験、医師としての風格みたいなものも絶対あるとは思うんですよねー。
ただこうなってくると自分の人生において、果たして何が一番大切なのか?
これを自問自答する機会ってのが増えてきて。
●生活するに十分なお金を稼ぐこと?
●家族との時間を大切にすること?
●厳しい環境に身をおいて、自己研鑽に励むこと?
●研究などで、人に評価される業績を残すこと?
●いい服きて、いい車に乗ってモテること
●いい結婚相手を見つけて、幸せな家庭を築くこと
色々考えますし、人それぞれ色々あるでしょう。
僕が大学病院に戻ろうとした時の気持ちは、すごく大袈裟に言うと、「ハートロッカー」という映画で、幸せな家庭に別れを告げて再度紛争地の爆弾処理班に戻った主人公に似たような部分もあったように思います。
コアな映画を例えに使ってすいません。
ただどれだけ辛い業務でも、不遇な環境でも、その先に自分が達成したいと思う大きな目標であったり、その辛さを共有できる仲間がいると、人間その状況を我慢して、耐え忍ぶことができるとは思うんです。
ただその状況に、上が理解を全く示してくれない、むしろ使い捨ての駒くらいにしか見ていないと感じたら、多分首皮一枚で繋がっていた心の糸は簡単に切れてしまうと思いますし、多分僕もすぐその職場を離れると思います。
でも今後東京女子医大はどうなるんですかね?
動向が気になります。
残された医師の方々は、負担も増えるだろうし、大切にしてあげて欲しいですね。
ではでは